「日野の対応には誠意が感じられた」――。

日野自動車は10月3日にエンジン認証不正での「燃費性能に対する補償」と「車検証差し替えで重量税が変更になる車型に対する差額の補償」を開始すると発表。対象車両のユーザーへ案内が送られている。

過去に大型車「プロフィア」を使っていたという大阪府高石市の運送事業者のもとへは、「燃費補償額1台26万円」の通知が。同じ車両を3台保有している同社の系列会社には、同様の金額で3台分支払うという内容で届いたという。

 

同社社長は、「車両はすでに売却しているのに補償の案内が来たので驚いている。系列会社では『プロフィア』を今も3台使用していて、100万円近い補償が受けられるようだ。26万円という額がどのような計算で出たのかは分からないが、もらえるとは思っていなかったので、燃料が高騰している今、非常にありがたい」と話す。

また、「対象車両1台ずつに補償していくと相当な額に及ぶと思われるが、信頼回復に向けての日野の意志が強いことが伝わった。対応には誠意が感じられる」と評価した。

2022年3月、日野自動車のエンジン認証で不正が発覚。道路運送車両法75条に基づく型式指定の取消処分と是正命令が出た。これに伴い、日野車両で運行していた運送事業者は思うように代替えができなくなり、他メーカーや中古の車両の活用を余儀なくされていた。日野車両を好む運送経営者からは不満が出ていたが、最近では「以前のように発注できるようになった」と喜ぶ声も聞こえてきている。

なお、日野自動車HPでは、補償対象車両が検索できるページと補償申請後の手続き状況を照会できるページが設置されている。

◎関連リンク→ 日野自動車株式会社