【広島】日本損害保険協会が公表する「全国交通事故多発交差点マップ」の最新(令和2年)版によると、県内の交通事故多発交差点ワースト1は、先小倉交差点(呉市阿賀中央)だった。同所で発生した事故7件のうち原因の最多は左折時で3件、続いて追突が2件あった。

 

同交差点は、南北の東広島呉道路と市道の合流箇所が近接し、東西の国道185号は車線数が多く、中央分離帯が広い大型の五差路。阿賀ICの立体交差化の工事が続いており、非常に見通しが悪い状況。平成27年から4年連続で同マップのワースト1位となるなど、特に注意が必要な交差点だ。

 

なお、同率1位の「東雲本町交差点」(広島市南区)、ワースト3位の「小網町交差点」(同中区、写真)と「庚午橋東詰交差点」(同西区)はいずれも今回が初掲載。このほかランクインした「国泰寺交差点」「南竹屋町交差点」(同中区)、「出汐交差点」(同南区)はともに、昼夜問わず車の激しい往来がある国道2号線の交差点となっている。

 

多発地点で起きた事故

 

「全国交通事故多発交差点マップ」掲載の事故多発交差点では、事業用トラックの事故も多発しているのだろうか。

 

中国トラック交通共済協同組合(小丸成洋理事長)が集積している事故データ(2016年1月~2021年8月、1489件)によると、県内の交差点(信号がない地点も含む)での事故は434件発生しているが、同一地点で複数の事故が発生している例はないようだ。

 

しかし、先のマップでワースト1位だった呉市の先小倉交差点では、昨年事故が発生。トラック単独で交差点の左折時に積み荷が落下し、工事現場の目隠しパネルを破損。現在進められている高架工事の影響と思われる。

 

また、国泰寺交差点では、進路変更をした際に前車との車間距離を見誤って追突した例や、出汐交差点では信号待ちの停止車両に追突する事故が、それぞれ1件ずつ起きている。

 

なお、交通事故総合分析センターがまとめている生活道路上の人身事故件数をメッシュ表示する「ITARDAウェブマップ」によると、先小倉交差点は事故記録がないが、国泰寺交差点は「16~31件」と赤色で表示されており、やはり事故多発地帯ということが分かる。