全ト協(坂本克己会長)は7月1日、トラック運送事業に携わる従業員の賃金や労働時間、福利厚生等の実態について調査した結果を「2020年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」として取りまとめて発表、今後の労働環境の改善のための基礎資料とする方針。ホームページでは概要版抜粋と全調査内容(会員のみ)と分析表等が閲覧・ダウンロードできる。

期間は「令和2年5~7月にきまって支給された給与の1か月平均額およびその時点における労働時間、福利厚生等の実態について、令和2年9月から10月にかけて」の調査で、調査票を郵送し、令和2年11月末までの調査票回収を行った。調査対象は「特別積み合わせ貨物運送事業者」が179社、「一般貨物自動車運送事業者」が4481社の計4660社。そのうち、回答事業者数は1027社 (22.0%)で、有効回答事業者数は1018社 (21.8%)だった。

調査結果によると、令和2年5~7月の3か月間で、支給された全職種の1人1か月平均賃金は、特積が31万4800円(対前年比6.6%減)、一般が31万7600円(同2.1%減)。年間賞与の1か月平均額を加えた月額で、特積は36万8700円(同7.3%減)、一般は35万4700円(同3.7%減)となった。さらにトラック運送事業全体(運転者、事務員、荷扱手、整備・技能員)では、全職種平均賃金が31万6600円(同4.4%減)、年間賞与の1か月平均額を加えた月額で36万円(同6.2%減)だった。

男性のトラックドライバー(けん引、大型、中型、準中型、普通)の賃金は、特積が1人1か月平均賃金で33万600円(同7.1% 減)、年間賞与の1か月平均を加えた月額で38万4900円(同 7.3%減)となった。一般では32万9700円(同1.8%減)、年間賞与の1か月平均額を加えた月額で36万900円(同2.9%減)となり、特積と一般をあわせた男性運転者全体では平均賃金が33万100円(同4.8%減)、年間賞与の1か月平均額を加えた月額で37万200円(同6.3%減)だった。

職種別では、平均賃金の高い順に、特積は大型、けん引、普通、準中型、 中型の順だが、一般ではけん引、大型、中型、準中型、普通の順となり、賃金+賞与で最も高いのはけん引、最も低いのは中型で、その差額は7万2500円。

トラックドライバーの平均年齢は男性運転者で48.0 歳(前年46.0歳)、そのうち、特積が 46.3歳(同45.5歳)、一般が49.0 歳(同46.6歳)で、運転者から事務員、荷扱手、整備・技能員までの職種を含めた男女あわせた全職種の平均年齢は 47.0歳(同45.4歳)と発表した。

◎関連リンク→ 公益社団法人全日本トラック協会