知ってる?「女性ドライバー応援企業」認定制度

女性ドライバー応援企業認定制度をご存知でしょうか。
これは、国土交通省が導入した新しい制度で、男性社会と言われてきたタクシードライバーの部門で女性ドライバーを増やそうという目的があります。
制度ができた背景や目的、認定基準、認定を受けるメリットについて見ていきましょう。
目次
女性ドライバー応援企業認定制度の背景
タクシーは、都市部では仕事や観光などの足となるほか、マイカー社会である地方でも欠かせない移動手段です。
遠方からの出張客や国内外から訪れる旅行客をはじめ、最近では免許返上をした高齢者などの移動手段としても欠かせません。
もっとも、タクシーは都市部では一定レベルの供給が提供されている一方、地方では少子高齢化や人口減少の影響でドライバー不足がより深刻化し、担い手不足が問題となっています。
地方はマイカー社会でもあるので、安定的に高収入を得られない懸念もあり、働き世代のドライバーが確保できず、高齢ドライバーなどに偏っているのが現状です。
そのため、なかなかマイカーが手放せず、高齢ドライバーによる悲惨な事故が起こるなど、地方の車事情は深刻化しています。
こうした状況を打開し、タクシードライバーの新たな担い手として、女性ドライバーの雇用を促進しようというのが、女性ドライバー応援企業認定制度の背景にあります。
女性ドライバー応援企業認定制度の創設
このように、タクシーは地域に密着したサービスであり、タクシードライバーとしての新規就労と定着を図ることで、地域における雇用の増加や経済の活性化につながり、ひいては地方における人口減少をストップさせることにもつながります。
そこで、国土交通省自動車局が平成26年7月に自動車運送事業等の人材確保・育成対策を定め、潜在的な労働力である女性の就労促進などタクシー業界における労働力確保に向けた取り組みをスタートさせました。
さらに、平成27年2月に閣議決定された交通政策基本計画では、女性のタクシードライバーを2013年度から2020年度にかけて当時の約6,700人から約14,000人へと倍増する目標も定められています。
そして、女性のタクシードライバーを積極的に採用したり、子育て中の女性が働き続けることのできる環境整備を行っている事業者を支援したり、PR体制を整えることで、女性の新規就労・定着を図り、タクシー業界で深刻化しているドライバー不足の解消を推進すべく、平成28年6月に女性ドライバー応援企業認定制度が創設されました。
認定基準
女性ドライバー応援企業認定制度の認定基準として、3つの基準を満たす必要があります。
第一に、雇用目標として女性ドライバーの雇用目標を設定していること、第二に女性ドライバーをはじめ、従業員が働きやすい施設や勤務形態の整備等に取り組んでいること、第三に勤務形態や福利厚生など労働環境に係る情報を公表していることです。
実は女性にマッチするタクシードライバーの仕事
ドライバーというと、肉体的にも精神的にも過酷というイメージが付きまとい、かつタクシードライバーの業界は男性社会のイメージも少なくありません。
女性は働きにくいのではと思いますが、実際にはそうとは言えず、女性ならではの対応力がタクシードライバーに向いているというのも実際のところです。
ワークスタイルが柔軟
タクシードライバーというと、13時間連続勤務で2休日などの長時間勤務の労働が一般的ですが、これだけではありません。
タクシー会社により、柔軟にワークスタイルを用意することができます。
たとえば、女性ドライバーが働きやすい、日勤のみの働き方や平日のみの働き方、パートタイムなども可能です。
子育てしながらでも働け、生活費や教育費を稼ぐことができます。
共働きはもちろん、シングルマザーも働きやすく、しっかり稼ぐことも期待できます。
女性ならではのサービス
タクシーというと、夜間には酔っ払いを乗せるなど女性にとっては過酷ではと思われるかもしれません。
ですが、夜勤なしで昼間のみの対応も可能です。
また、タクシーの乗客もさまざまです。
移動手段が限られた地域の高齢者をはじめ、妊娠中の女性や小さな子どもを連れた女性、最近では小さなお子様の塾や習い事の送迎に使う方も少なくありません。
高齢者や女性、お子様の利用者に安心できる存在が女性ドライバーです。
持ち前の優しさや笑顔、行き届いた配慮で、お客様も安心し、指名をもらえることも増えるでしょう。
認定を受けるメリット
タクシー会社が女性ドライバー応援企業として認定を受けると、どのようなメリットが得られるでしょうか。
ドライバー不足の解決
高齢ドライバーしかいないなど、地方におけるタクシー会社のドライバー不足を働きたい潜在的ニーズを持つ女性ドライバーでカバーすることが可能になります。
利用者の増加
女性の雇用や労働環境整備に積極的なタクシー会社として評価され、親身で優しい女性ドライバーが増えることで、地域の利用者が増えるなど、需要拡大も見込めます。
まとめ
女性ドライバー応援企業認定制度はドライバー不足に悩むタクシー会社において、女性ドライバーを増やすことを促進する制度です。
女性も働きやすい環境を整えるなど、基準をクリアすることで認定が受けられ、ドライバー不足の解消や利用客増大にもつながるメリットが得られます。