NX備通(鷲尾忠彦社長、福山市)は、安全大会を10月29日にふくやま産業交流館(ビッグローズ)で開催。会社設立79年で初めて全従業員を対象にした会議で、県外の拠点や家族、協力会社の関係者ら約350人が参加し、安全を改めて考えた。

同社は日通のホールディング体制移行とグループブランド「NX」の導入に合わせて今年1月に社名を備後通運から変更した。経営では長く安全、品質、コンプライアンスの3点を重視。今年度の目標は重大事故・労災ゼロ、事故件数の前年比マイナス50%を掲げている。

経営管理部の藤本周課長は「これまでも拠点単位や管理者の安全会議は毎月行っているが、安全意識の深化を目的に社員教育を見直した。今回は『自分の身を自分で守る』という切り口で学んでほしい」と考え、対象者を広げて安全大会を開くことにしたという。

大会の冒頭、鷲尾社長はあいさつで「NXグループでは安全は何より優先される。交通事故や労災ゼロに向けて意識改革を行ってほしい」と集まった従業員に呼び掛けた。

20年前にスキーの転倒事故で首を骨折したものの奇跡的に教育現場に復帰した腰塚勇人氏が「命の授業~一番大切なものを守る為に」と題して講演を行った。

腰塚氏は、復活までの壮絶な道のりには周囲の助けが不可欠だった様子を紹介したうえで、「一日事故が無かったら大喜びしてほしい。それを毎日積み重ねてほしい。顧客への最高のサービスは自分が健康で事故を起こさず働くこと」と語った。

 

会場の中には講師の経験から来る重い言葉に涙する人も。多くの受講者が時々メモを取りながら、真剣な表情で講話に聞き入っていた。

 

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