北海道開発局はこのほど、旭川合同庁舎で共同輸送・中継輸送実装研究会(座長・北見工業大学の髙橋清教授)の2回目の会合を開催し、道北方面の物流に課題を抱える物流事業者や荷主が共同輸送・中継輸送の実現に向けて話し合うマッチングイベント「道北ロジスク」を初めて実施した。

物流企業14社、荷主企業1社から56人が参加した。旭川地区ト協の協力により、共同輸送・中継輸送に関心がある事業者らを呼んだ。年内中に札幌地区での「ロジスク」開催を予定している。

「ロジスク」は、共同輸送や中継輸送の実現に向けて、行政が積極的に関わってマッチングさせる取り組み。参加者は2024年問題への対応状況や課題に加え、道北地域の物流の維持方策、中継拠点のあり方などについて、小グループに分かれて意見交換を行った。また、参加したヤマト運輸から、道内の中継輸送拠点のモデルとして「リレープレイス北海道」の構想が発表された。

参加者からは「力を合わせて2024年問題を乗り切っていきたい」(北日本物流、北海道稚内市)、「人、車、顧客の課題について各社の悩みを聞くことができ、良い機会となった」(名寄トラック、同名寄市)、「付き合いのなかった企業と話ができ、悩み相談も行え、有意義だった」(五十嵐運輸、同)、「6年前から名寄市で道の駅を活用した中継輸送・共同輸送の実証実験が行われてきたが、恒常的な取り組みとはならなかった。今回を機に気軽に情報共有とマッチングができる機会を設けてほしい」(北海道物流開発、札幌市西区)といった声が挙がった。

今後、参加事業者からのアンケートをもとに、事務局が「共同輸送・中継輸送に具体的につながりそうな案件」をピックアップし、積極的に仲介・斡旋を行い、協議の場にも参画する。

事務局を務める名寄市の石橋毅総合政策部長は「宗谷地方やオホーツク地方への輸送に対しては中継ポイントが必要であり、そのためには一時保管機能や求荷システム、予約システムなどが必要との話が出た。名寄市は中継ポイントとしての魅力があると考えている。市でも名寄ICの完成を見込み、物流拠点の整備を目指している。道北地域の流通が困らないよう取り組みを進めたい」と話した。

髙橋座長は「今回は共同輸送のマッチングや中継輸送の場所などについて話し合うことができた。個別企業同士での協議は頻繁に行われているが、行政機関が関わって、このように一堂に会して話し合いが行われたのは全国初だと考えている。北海道では農業・漁業の生産が行われる地方部の維持が大きな課題であり、ここにモノが届かないと、地方部のみならず日本全体への影響が大きい。物流が競争から協調へ、また今後、共創へと向かっていけるようロジスクを今後も続けていきたい」と述べた。