鋼材輸送をメインに創業した会社が、60年の時を経て、倉庫事業や組み立てなどの物流加工、入庫前、出荷前の品質・機能検査、そして通関業の認可を取得するなど、国際物流へも活動の場を広げた。さらに今、サステナビリティが叫ばれる中、カーボンニュートラル輸送という新しいサービスを開始している。常に時代にあった事業を模索し、展開しているツバメロジス(新潟県燕市)で陣頭指揮を執る山田剛弘社長は、「次の節目である創業70年に向けて、今後も革新的な事業構築を進めていきたい」と話している。

大手の運送会社勤務を経て、海外でのビジネス構築を目指したという山田社長は、中国へ渡り、ネットワークやビジネス構築を進めた。

日本へ戻り、同社に入社、父親である先代の下で、国際物流へと事業の幅を広げていく。

平成28年には通関業の認可を受け、通関業務を開始。

その後も、外航2種の許可並びに複合輸送の認可を受け、国際物流を本格化させる。同30年には、中国に現地法人も設立した。

国内では、倉庫事業に乗り出すとともに、組み立て加工分野にも参入、総合物流としての基盤を築いていった。

昨年4月に先代の後を継ぎ、社長に就任した山田社長は、今度は「カーボンニュートラル輸送」という新しい輸送サービスの提供を開始した。

同サービスは、輸送中に発生するCO2に対し、カーボンクレジットによるオフセット(相殺)をすることで、実質排出量ゼロにする輸送サービス。

具体的には、クレジットの調達や管理を行う日本ゼルスの協力を得た上で、荷物の輸送距離や重量などをもとにCO2排出量を計算、クレジット購入分を上乗せした輸送費を荷主から受け取り、同社がクレジットを購入して輸送を行うというもの。

カーボンクレジットは、最も多くのプロジェクトを持つVerraのVCSや、SDGsへの貢献度が示されているGoldStandardなど、国際的な基準をクリアしたVERからの調達で、そこから最適なカーボンクレジットを選定し、荷主へ提案する。

選定したカーボンクレジットを活用し、産出された排出CO2量の相殺手続きを行うとともに、クレジット証明書を発行する。これにより、荷主は実質CO2排出ゼロの輸送が実現するという。

山田社長は、「環境を無視したビジネスが難しくなる中、カーボンクレジットの活用で、輸送時の実質CO2排出ゼロを実現するサービスは、自社の輸送品質を高めることにもつながる」とし、今後も荷主企業のニーズを探りながら、様々なサービスを展開していきたい」と話している。

◎関連リンク→ ツバメロジス株式会社