食品物流を手がけるシモハナ物流(広島県安芸郡)は、同社の単発バイト専用の求人サイト「シモハナマッチボックス」を6月に開設。稼働から3か月ほどが経過し、全国ですでに600名を超える登録者数を数えている。

 

同サイトは、マッチボックステクノロジーズ(新潟市中央区)が開発したアプリケーション「マッチボックス」を活用。これは、現役従業員をはじめ、OB・OGや一度働いたことのある登録制アルバイトまで、自社の人材データベースを各社が独自に構築できるアプリ。シフトの共有から採用までを簡単に行うことができ、勤務が確定した場合は雇用手続きや給与計算、支払いまでを自動化で対応する。

 

 

今回、自社専用のサイトを開設した経緯について、シモハナ物流管理統括部の島原友也統括マネージャーは、「長期的な視点」を強調。「働き方が多様化した今のニーズに合ったしくみが必要」と語る。

 

その上で、「単発アルバイトの方々、一人ひとりとの結びつきを今から大切にしていくことが重要」と説明する。同サイトによる単発バイトの採用を、新卒採用、中途採用と同列に位置付け、人材採用の柱の一つとして注力していくという。

 

これまで外部のサービスを使って行っていた単発バイトの採用業務を、自社専用サイトの活用により内製化した形。同マネージャーは、「アウトソースするサービスはこれまでもいくつかあったが、『マッチボックス』は全く違う切り口からの提案だった」と振り返る。

 

登録者の働ける時間や勤務実績に基づき、適任者を自社で選ぶことができるため、「物流品質を保てるのが大きな利点」と評価。直接雇用でありながらも、物流の繁閑に合わせ、「必要な時にだけ掲載し、必要な人数を採用できる」という「自由度の高さも特徴」とも。

 

 

現在、11営業所で稼働しており、1日の稼働数は平均40件。同社で1度働いたことのある人材だけでなく、今後は広告出稿などによる新規人材の獲得にも注力する。クチコミを聞いて登録したという人も多いようで、同社が求職者から「選ばれている」ことがうかがえる。「経験のある人に再度来てもらえるようになれば、教える手間が省け、現場の生産性も上がる」。

 

同社の専用サイトから内製化システムに人材を取り込んだ後の費用負担はマッチボックステクノロジーズへ支払うシステム利用料と労務処理費。「他の外部人材サービスのように、稼働人材1人あたりにかかる採用手数料は発生していない」。単発バイトのニーズが多い営業所は自社専用サイト、そこまで多くない営業所は従来の派遣サービスを活用するなど状況に応じて使い分けることで、「採用コストの削減にもつなげていく」。

 

「永続的な企業発展のためには、5年後、10年後を見て動かねばならない」と同マネージャー。「外国人の活用をはじめ、新しい動きに対して常にアンテナを立てておく必要がある」とし、今後も時代の変化に対応していく構えだ。

 

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