丸吉ロジ(北海道北広島市)の吉谷隆昭社長は10年間にわたり毎日更新してきたブログ「鐡人ブログ」(スタート当時は「鉄人ブログ」)を3月31日で終了した。

自社の取り組みや物流業界の動きのほか、自身の生い立ちや価値観などを長文で丁寧に説明する骨太な内容で、「丸吉10年史」と「吉谷社長の経営哲学・人生観」を凝縮させたもので、熱心な読者も多かった。どうやって10年もの間書き続けられたのか。そこで得られたもの、今の心境等を聞いた。

「鐡人ブログ」のスタートは2011年4月1日。きっかけは社長に就任して間も無く作成した中長期経営ビジョン「経営羅針盤」。会社の将来目指す姿と、そこに至るまでの具体的な取り組みを詳細に記したもので、同社経営の根幹を担っている。ここに「ブログの毎日更新」の項目を盛り込んだ。

欠かさず更新できたのは、「自分の意志が弱いことを知っていたから」だと逆説的に説明する。「だからブログや名刺などに『毎日更新』と明記して自分を追い込んだ」という。

近年は物流効率化法を積極的に活用、社名も丸吉運輸機工から丸吉ロジへと変えた。経営羅針盤に描いた姿の多くを実現させた。
毎日更新を続ける中で、会社や自分自身を俯瞰して見られるようになり、「同じ言葉を使い出している」と気づいてからは、「自分がどのような人間か、どのような価値を重視しているか」を改めて認識した。それは「変革志向」「0から1を創り出すのが好き」という側面で、「自分がそういう性質の人間とは思っていなかった」と話す。また、以前は「誰からどのように評価されているかを気にしていた」が、発信や主張を続ける中で「自分の中に『軸』ができ、周りの評価を気にしないようになった」とも。
トップがブログで社内外に継続的かつ明確に情報発信することは、多くのメリットがあると強く実感した。

また、「継続の力・宣言の力・イメージの力など大切な価値観を見つけることができ、自分が大切にしていきたい生き方や使命が明確になる」と強調する。

 

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