茨城乳配(茨城県水戸市)では、「善い行い」をした社員を積極的に表彰している。吉川国之社長(写真)は、「表彰自体は以前から行っていたが、大々的にするようになったのは、企業理念の『性格の良い会社を創る』を制定した12年ほど前から」と説明する。

 

「社員の行動を表彰することで、経営者として本人へ感謝の気持ちを伝えるのはもちろん、自社で、『困っている人のために行動に移してくれる人』を一人でも多く増やしたいという思いから表彰を始めた」という。「人命救助などは人として当たり前の行動かも知れないが、それでも善い行いをした社員には、しっかりとその功績を認めることで、本人の自信や誇りにつながり、この先も人間的に素晴らしい社員に成長してくれると考えている」
実際に、立ち往生している車両を動かすのを手伝ったり、倒れている人を助けるなど、多数の表彰を行っている同社。「表彰を受けたどの社員も、『表彰されたい』という気持ちで救助したわけではないので、照れ臭いような、恥ずかしいような反応を見せる」という。

 

「困っている人の役に立ててうれしいのはもちろんだが、自分の行動が『素晴らしいものである』と後押しされた気持ちになるようで、笑顔で感謝状を受け取り、『これからも困っている人を見かけたら積極的に助けたい』と言ってくれる」と目を細める。「表彰を機に、家族や同僚からも褒められる社員が多いようで、自分の仕事により誇りを持ってくれている印象」とも。

 

「社員が自発的に善い行動をしてくれることを誇りに思う」と胸を張る吉川社長。「表彰は全社に展開するので、身近な出来事として、多くの社員が自分事として捉えてくれている様子。仲間が表彰されている姿を見て、『善い行いをすれば会社からも認められる』ことが社内でも根付いてきており、同じような場面に遭遇した場合、進んで対応してくれる社員が増えてきていると感じる。表彰数も増加傾向」と語る。

 

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