MEDIROM MOTHER Labs(メディロムマザーラボ、以下マザーラボ、東京都港区)は、充電不要の活動量計「MOTHER Bracelet(マザーブレスレット)」を開発した。体温から発電する「温度差発電技術」を搭載し、24時間365日、シームレスにヘルスケアデータを計測できるという。

 

今年7月からは、ハンナ(下村由加里社長、奈良市)と同製品を用いた実証実験を開始。2営業所で合わせて10名のドライバーが同製品を装着している。

 

体表面と外気との温度差を利用して発電する「温度差発電技術」で知られる米・MATRIX INDUSTRIES社とマザーラボが共同開発した同製品。マザーラボMOTHERチームの木村津久美氏は、「外気との温度差が1℃以上あれば発電できる。画面のように見える部分は太陽光パネルになっており、暑い時期でも安心して使用いただける」と切り出す。

 

「充電式の活動量計の場合、充電中はデータをロスしていることや、充電をきっかけに装着をやめてしまうなどの課題があった」と指摘する同氏。「当製品は防水対応で、入浴時やプールでもそのまま装着いただける。データ取得できない時間をなくすことで、ヘルスケアデータ記録の目的である、健康を定量的に把握し、生活習慣を整えることを目指す」。

同製品は歩数、睡眠量、体表温、カロリー、心拍を自動的に計測。本体とバンドを合わせても重さは約30gで、バンドは取り替えもできる。「標準バンドはシリコン製だが、より快適さを追求したナイロン製のオプションも用意している。柔らかく通気性が良いため、ストレスフリーな付け心地」。

 

同氏は、「これまでは個人ユーザー向けに販売していたが、スタッフの健康管理に利用したい企業から問い合わせも増えており、一括で健康管理する仕組みも構築している」と語る。

 

個人向けの価格は1台4万4000円(税込)だが、「企業向けにボリュームディスカウントも可能」とも(システム利用料等は別)。

 

また、「従来のAPI連携に加えSDKも提供しており、計測データを直接、自社のアプリやデータベース、既存システムに組み込める。『デバイス用とサービス用』などといった複数のアプリケーションをダウンロードする必要がなくなり、自社サービスの構築・拡充が容易になる」と胸を張る。

 

ハンナでは、事業所に設置した「MOTHER Gateway(ゲートウェー)」にBluetoothで接続し、管理画面から一覧でヘルスデータを可視化。「点呼時間の短縮による業務負荷の軽減はもとより、判断基準の統一化が図れる。データに基づいた事実確認で、点呼担当者によりばらつくことなく、定量的な乗務判断ができる」という。

 

「ドライバーさんからは、『不快感なく装着できる』と好評」と目を細める木村氏。「ゲートウェーを車両に搭載し、運転中もリアルタイムで健康を見守る仕組みについても準備を進めている」と意気込む。

 

◎関連リンク→ MOTHER Bracelet