Essen(川崎市中原区)は、車両ラッピング広告を掲出したい広告主と、広告掲載による収益を得たいドライバーをマッチングさせるサービス「WithDrive」を展開している。このほど同サービスで、「トラック広告プラン」を発表。「運賃以外で効率的に収益を得ることを可能にする」と意気込む橘健吾社長に話を聞いた。

 

「WithDrive」は、企業PRのステッカーを貼った車両を走らせると、エリアや走行距離に応じて広告料が受け取れる仕組み。同社長は、「車両ラッピング広告は移動しながら広告を見せられるため、多くの人の目に触れやすく、広告効果が高い。特に地域限定の販促活動や宣伝に強みを持っている」と切り出す。

 

「乗用車ユーザーの会員は、仮登録も含め1万人を達成した」という同サービス。「配送を行っているバン車ユーザーが月2万円の報酬を得た実績もある」とし、「トラックは車体が大きいため、広告媒体として魅力的」と語る。

 

利用できる運送事業者は、Gマーク認定事業所又は同等以上の安全管理体制ができている優良企業に限定。「広告主は予め走行経路を把握しているため、追跡できる安心感も得られる」という。

 

運送事業者側の利用フローは、まず「WithDriveアプリ」をスマホにインストールし、申し込み。審査を経て、掲示する広告を選ぶとステッカーが送付されてくる。それを車両に貼り付けて位置情報などを送りながら走行する。「走行データや周辺の滞在人口ヒートマップなどをもとに広告料が算定され、口座振り込みで支払う」。

 

なお、「競合する荷主の荷物を運んでいる場合などは特定の広告を避けることもできる。また、車体登録地の自治体の広告申請も当社が行っている」と語る。

 

今年6月からは、シーオーピー(酒巻祐一社長、東京都多摩市)、神栄運輸(香森洋一社長、横浜市港南区)の3社共同で実証実験を実施している。「まずは川崎市や横浜市を中心とした神奈川エリアから開始し、随時エリアを拡大していく予定」。

現役東大院生の橘社長が同サービスを思いついたのは、「偶然見かけた日本一周に挑戦している自転車にスポンサーの名前が貼られていたのを見たことがきっかけ」だった。「これを自動車に応用できるのでは」と、専攻していた天文学のデータ収集ノウハウを活かし、仲間たちと起業。同サービスを作り上げた。

 

「走行するだけで収益につながるため、損はないはず。デメリットを挙げるならアプリを起動する手間があること。今後は車載器との連動も実装していきたい」とさらなる進化を目指している。

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