イデアロジー(東京都新宿区)はこのほど、物流施設を借りたい荷主や3PL企業(物流施設ユーザー)と、貸したいオーナーを直接つなぐオンライン検索契約システム「ア・ソコ(à sôko)」の運用を開始した。

 

1000軒を超える全国の賃貸物流施設を地図上でデータベース化しており、独自開発のAIによる最適な物件提案から比較分析レポートの提供、オンライン契約までをユーザーは無料、オーナーは月額で利用できる。

 

「従来は、ユーザーが複数のオーナ―や仲介業者と交渉し、情報収集、面談、見積もりを繰り返す必要があり、負担が大きかった」と切り出すのは坂本哲朗社長。同社長が持つ物流不動産開発事業での豊富なノウハウと大手が手掛けた物流施設を荷主として利用した経験を掛け合わせ、「いつから・どこで・いくらで・どのような施設が借りられるか、といった情報を一元的に把握できるシステムを開発した」という。

同システムでは、「AIを活用し、週単位での周辺時給相場、雇用のしやすさの指数、有効面積、荷物単位あたり賃料、保管効率や搬送効率といった『賃料以外の情報』も充実させている」という。「坪単価が5000円と6000円の施設では安さで前者を選びがちだが、バース部分を除いた実効面積や保管効率を比べれば、後者の方が利益を生みやすいことも往々にしてある」。

また、「適切な物流コスト情報を複数の施設で比べられるレポートも用意している。1クリックで簡単に比較検討でき、物件選定の手間の削減と時間短縮になる」という。

 

同システムでは、地図上に物流施設のアイコンを表示し、BTSやマルチなど種類によって分類。「テナント情報も公表または公知の場合は積極的に掲載していく方針」で、「募集中はもちろん、現状では募集していない施設もデータベース化し、どのようなテナントが入居しているか調べられる」と胸を張る。

 

デジタル改革関連法に対応するオンライン契約機能も提供していく予定。「電子署名やオンラインでの重要事項説明など、申し込みから契約まですべてをネット上で完結させることが可能になる」。なお、「物流施設オーナーとは一般媒介契約を結び、初回のみ仲介手数料が発生する仕組み」としている。

 

2023年度上期には、各物流施設の空間とオペレーションをデジタルで再現し、最適化シミュレーションを提供する「ア・ソコ2」を、同下期には製造拠点や販売拠点も考慮した最適なロケーションとオペレーションのシミュレーションサービス「同3」をそれぞれ提供する予定。坂本社長は「マーケットは日々刻々と変化する。当システムで相場感をつかむとともに、最適な物件の選定や交渉材料として活用いただければ」と呼びかける。

 

◎関連リンク→ ア・ソコ(à sôko)