システック(鹿児島県鹿児島市)は、移動体太陽光発電システム「ロジソーラー」の販売を開始すると発表。同システムでは、太陽光電池で発電した電力を車両のバッテリーに充電。バッテリー電圧が低下する頻度・時間が短縮するため、オルタネーターの負担を軽減する効果で燃料使用量が減り、CO2排出量も削減される。

 

福岡運輸グループのナガサキロジスティクス(長崎県諫早市)での実証実験では、平均10%以上の燃費削減効果があったという。

 

同社の阿部浩明社長は、「途中経過では、最大16%の燃費削減効果が出ており、正直驚いた」とコメント。「その車両は毎月2000㍑給油しているので、単純計算で毎月200Lの軽油を入れなくてもよくなり、年間での試算では実に1か月半分(約3100L以上)の燃料が削減できる見込み」としている。

 

 

システックの坂元士郎社長は、「『オルタネーターを回すのを減らせれば、軽油も減らない』という単純明快な原理で、効果が出やすいのは日中の走行が多い車両」と説明。「薄さと軽さが特徴のCIGS系フィルム型太陽光電池を採用しており、1枚あたり約2kg。実証実験では4枚使用したが、他の機器と合わせた全体でも20kg以内で収まり、積載量にほとんど影響を与えない」と胸を張る。

 

「冷蔵・冷凍車やパワーゲート車だけでなく、さまざまな箱車に取り付けられる」と切り出す同社長。「住宅の屋根に設置されているシリコンタイプとは異なるため、洗車機や手洗いで洗車しても問題ない」という。

 

市場想定価格は300Wモデルが39万8000円、500Wモデルは同49万8000円。ランニングコストは、発電監視・発電分析ツール利用費として1台につき月額500円―1000円以内を予定している。保証期間は出力保証で10年。「リースでの提案も検討している」という。

 

「導入に際しては、車両メーカーや年式、月間の燃料使用といった運行状況に加え、運行エリアの天候の傾向などで試算が可能」と語る坂元社長。「メンテナンスフリーでお手軽。導入されない理由はないはず」とアピールする。

 

 

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