大和紡績(大阪市中央区)は、トラックやトレーラーのシートとして活用される帆布を開発・卸販売している。1970年から販売している紫外線や雨などへの耐久性を高めた「ダイワボウファイナル」が有名だ。

 

繊維資材販売課の西村繁治課長は、「名前までは知らずとも、おそらく多くのドライバーさんが製品を目にされたことがあるのでは」と謙遜する。

 

軽量タイプの「エアスカイ」の発売は2013年。同課長は、「平ボデーに乗る若手が減っており、高齢化が進んでいることから軽量品の開発にあたった」と振り返る。

 

今年発表した新製品「エアフェザー」は、「エアスカイ」から13%の軽量化を実現。「ダイワボウファイナル」より33%も軽い。同課長は、「ドライバーさんの作業時間を短縮するため、さらなる軽量化に挑んだ」と開発の経緯を語る。

 

 

1平方mあたりの重量は、従来品「ダイワボウファイナル」が580g、軽量品「エアスカイ」が同450g、「エアフェザー」は同390g。同課の吉田亮平氏は、「軽さを求めた分、従来品よりは寿命が若干短い。ただ、従来品ユーザーにテスト導入したところ、耐久性の良さも実感いただいている」と話す。

 

「耐用年数は荷物の種類や使い方によっても異なるが、少しでも長持ちするよう、当社独自のノウハウを用いて制作している」と胸を張る同氏。「1年ほど使用いただいたユーザーからは、『薄くて軽くなって使いやすい』と好評」だという。「荷物によっては従来品が適している場合もあり、ニーズにあわせて使い分けていただければ」と呼びかける。

 

また、「エアフェザー」は一般的な1m幅に加え、2m幅も用意。「荷室サイズに合わせて組み合わせて溶着するため、つなぎ目が少ない方が見た目も綺麗に使っていただける」。

 

「厚みや重さを意識し、ユーザー目線にこだわった開発を心がけている」と強調する西村課長。「作業時間短縮と負担軽減に寄与することで、2024年問題に直面されている物流業界の課題解決に貢献したい」と語った。