「やさいバス北海道」では、1ケースの配送料を350円と設定。スタート初日の物流コスト(物流側から見ると売り上げ)は、8ケースだったので2800円。これを持続可能にするには、2トン車での運用では常時100ケース程度の商品を扱う必要がありそうだ。

商品を一般消費者に販売する購買者と、出荷する生産者を開拓し、このプラットフォームに常時、荷物を多く積める状態にすることがひとえに求められる。

幸楽輸送(札幌市清田区)の不動直樹社長は「北海道コカグループでは、北海道に貢献する活動を積極的に進めており、やさいバスのプラットフォームの運用もその一環。準備をするなかで、小規模出荷に困っている生産者の多さに驚いた。こういった生産者のニーズをすくい取り、北海道を元気にするお手伝いをしていきたい」と話す。

また、当面は専用車両での集配を行うが、既存の飲料品のルート配送と絡めることができれば、北海道コカグループにとっても効率化がはかれる。

不動社長は「将来的には、エリア内のルート配送だけではなく、道内の地域と地域を結ぶ広域的な生鮮品輸送や、北海道と道外を結ぶ大量の生鮮品輸送のプラットフォームになりうるか、機会があればチャレンジしたい」と話す。

また、十分な荷量が見込めれば、野菜のみならず、さまざまな種類の商品を安価に配送するプラットフォームに応用することも考えられる。

このようなことを考えれば、やさいバス北海道は、「ラストワンマイルの利便性の悪さ」を受け入れた人にとっては、「シンプルで安価な物流プラットフォーム」として北海道に定着する可能性を秘めている。

北海道コカ・コーラボトリング(佐々木康行社長、同)では「同事業では、グループで持つ経営資源を活用し、北海道内の物流を担うほか、生産者や販売店など多くのパートナーとの連携を強化することで、より良い北海道へ向かう好循環への貢献を目指していく」としている。

 

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