高校生の将来の職業選択に役立ててもらおうと、広ト協(小丸成洋会長)が行う出前授業「トラック業界イメージアップ体験スクール」。5年目となる今年度に実施した3校のアンケート結果が明らかになり、高校生から業界に期待を込め、さまざまな声が届けられた。

 

今年度は、県立西条農業高校(東広島市)2年生の農業機械、食品科学など科学技術系7学科250人▽尾道高校(尾道市)1年生の機械科、電気科45人▽広島国際学院高校(安芸郡海田町)1年生の総合進学コース240人。3校で合計535人が参加した。

 

授業を受けてトラック運送業界で働きたいと思ったかを尋ねたところ、西条農業高校では「非常に思う」が3.1%、「思う」が35.7%。尾道高校では同2.6%と同44.7%。国際学院高校は、同3.9%と同22.3%となった。

 

この設問は、例年4割前後の生徒が業界で働きたいと答えているが、今回、特に尾道高校は「働きたいと思う」が47.3%(昨年から9ポイント増)となるなど顕著な反応が見られた。同校の授業では大型車の車両見学でエンジンの仕組みを間近に学んだが、生徒が日頃学んでいる分野にコミットした内容が、この結果につながったと見て取れる。

なお、働きたいと感じた主な理由は「きつそうなイメージが話を聞いて変わった」が3校全てで回答。反対意見は「別の夢がある」「重労働で大変そう」などがあった。

 

働くうえで「給料」「休日」「やりがい」の順で重視。トラックドライバーに対するイメージは、「いろいろな所へ行ける」という良い印象より、3校とも「長時間労働」「きつい」とのイメージを持つ生徒が多いことが分かった。

 

業界のイメージアップの方法を自由に書いてもらうと「SNSを使う」「女性を増やす」「アニメとコラボ」などの意見が出たほか「(授業をする)地域の物流を止めて、どれだけ困るか知ってもらう」といった高校生らしい生きた声も届けられた。