トークセッションでは、交通コメンテーターの西村直人氏、ジャーナリストの橋本愛喜氏、日通総研の大島弘明氏らが登壇。2024年問題について西村氏は、「周囲の意識改革も必要」と指摘。大島氏も、「世間で取り上げられるようになり、役所も過去に例を見ないほど積極的に取り組まれている」と応じた。

橋本氏は、「(自身の)講演会に参加いただく荷主さんも増えるなど注目はされているが、理解はあまり進んでいない」とも。

橋本氏のもとにはドライバーから「2024年問題で勤務時間が減って給料も減るなら副業したい」という相談が相次いでいるという。

同氏は、「働く環境を良くしようという働き方改革にも関わらず、フードデリバリーや運転代行など、さらに体力を消耗する副業を検討するドライバーも少なくない。これは本末転倒では」と懸念を示す。
また、荷待ち時間にも言及。西村氏は、「ある工場がCO2排出量を抑えるため、敷地内での待機を認めず、トラックはやむなく付近で行列を作っている」と肩を落とす。

橋本氏は、「『敷地内に待機スペースはありません』とコーンを立てて冷たい文言を掲示している物流センターもある。荷待ち時間を取材した中で、一番長かったのは『21時間半』というドライバー」と明かした。

悪路で試乗した橋本氏は、「ステアリングが程よく心地の良い軽さ。UDさんの華奢な女性スタッフでも軽々と操作できているのを見て驚いた。握力58の自分ももちろん運転がしやすかったが」と笑いを誘った。
話に出たUDトラックス広報の栗橋恵都子氏も、「20トンの荷物を積んで走ったが、『置いてきちゃったかも』と心配になるほど負担の少ない運転ができた」とPRした。

セッションの最後に同氏から「今後のUDトラックスに期待することは」と投げかけられると、大島氏は「さらなるドライバー不足に備え、いろいろな層の方にドライバー職をアピールしなくてはならない。そのためにも安全性や快適性を高め、車内での時間を有意義に、楽に過ごせる車両を」と要望。

橋本氏は、「ドライバーはキャビンの中を『城』だと考えていて、他人に乗られるのを嫌がる方も多いが、ドライバーにとって良い環境にするためには、例えば、将来的に寝台を取り除くなど、大きな改革が必要になるのでは。良い労働環境のためには、きちんとベッドで寝てほしい」と述べた。

◎関連リンク→ UDトラックス株式会社