皆さんこんにちは、日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長の上西一美です。「同じドライバーが何度も事故を起こす」。よく耳にしますし、また皆様の中でも、お悩みの方が多いのではないでしょうか?

事故を繰り返す理由は何点かあるのですが、中でも気をつけないといけないことは、「一度の指導や研修で事故がなくなる、こんなことは決してないということ」です。

事故を繰り返す運転者は、まず、事故を起こしやすい運転習慣を持っています。習慣を変えることは、そんな簡単なものではありません。

ただ、例外はあります。それはライフイベントのような大きな出来事があった時です。例えば、「人をひいてしまった」など、大事故を起こしてしまうと運転者はそれがトラウマとなり、一気に習慣を変えることはありますが、事故してからでは遅いのです。このような習慣の変え方をする前に、運行管理者がやっておくべきことがあります。

人は、他人から何度も何度も言われ続けることで習慣を変えることがあります。子供は親から毎日毎日「歯磨きしなさい」と言われ続け、いずれ言わなくても習慣化していきます。事故を繰り返す運転者もまったく同じです。運転習慣を変えるということは、他人から言われ続けないといけないのです。だから、一度の指導ではなく、管理者が点呼などで言い続けることが重要なのです。

習慣を変えるのは、時間ではなく回数です。長い時間、面談するよりも、点呼などで、毎日、一言でも声をかけることが習慣を変えていくのです。

弊社の「事故惹起者改善メニュー」では、3か月間、毎日、スタッフが事故映像を送ります。そして、受講者には毎日その映像にコメントしてもらいます。これを毎日続けることで、意識の向上と習慣化が実現するのです。ぜひ、指導しただけで終わるのではなく、毎日毎日繰り返し言い続け、運転習慣を変えてあげてください。これが運行管理の基本でもあるのです。