物流業界ではドライバーの高齢化や人手不足から、既存のドライバーに、健康的に長く働いてもらおうと、健康経営を通して、従業員の健康を考える経営者の存在が目立ってきた。カゴメの提供する「ベジチェック」はそんな健康経営の一助になるかもしれない。

ベジチェックは、「もっと野菜を食べてもらおう」という思いのもと、カゴメの健康事業部が開発した、野菜摂取量を推定する機器だ。現在、市町村のイベントや、道の駅やスーパーなど野菜の販促の場で活躍しているという。

使い方は簡単で、センサーの上に手のひらを乗せて数十秒を待つだけで、その人の2~4週間前の野菜摂取量がわかるという。

この野菜摂取量は、皮膚のカロテノイドレベルを読み取ることで推定される。カロテノイドは、トマトやニンジンなど緑黄色野菜に多く含まれる天然の色素。

野菜をたくさん食べる人は、緑黄色野菜を含めた野菜摂取量が多いため、野菜推定摂取量が推定できるという。推定結果はレベルが0~12.0で表示され、推定摂取量のグラムは6段階によって表示される。

同社健康事業部の前田泰宏課長は、「全国平均のレベルは5.7程度」と説明。このレベルは7~8が350g程度にあたるため、野菜摂取が足りてない現状を表している。前田課長は、「喫煙や飲酒、ストレスによって野菜摂取レベルが下がることもある」と補足するが、成人の1日の野菜摂取目安は350gとなっており、それには届いていないのが現状だという。

 

ただ、1日の摂取量が350g必要といえど、1日に野菜を何g食べたか把握している人はほとんどいない。そこで、同社では、摂取量をわかりやすくするため、「ベジハンド」という単位を作成している。これは片手1杯を1ベジハンドで60gとカウントし、わかりやすく360gの野菜摂取を目指す試みだ。確かに逐一g数を量るより、「1日に6ベジハンド」はわかりやすい。

物流業界でも、健康経営への意識の高まりから、「ベジチェック」を導入する事業者もでている。1日レンタルから長期間のレンタルプランもあり、社内の安全会議で採り入れた例もある。

前田課長は、「ベジチェックは簡単にレベル表示され、推定野菜摂取量がわかるので、社内のコミュニケーションツールとしても役立つ」と付け加える。

同社では、「ベジチェック」の野菜摂取の普及活動と並行して、eラーニングや野菜摂取量をポイント化し競争できるアプリの提供を通し、健康増進プログラムも提供している。

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