ドライバー職の求人広告などでも、「女性・未経験大歓迎」という文言をよく見かけるようになった。しかし、「多くの企業がそう謳ってはいるものの、運送会社数社で面接してもらったが採用してくれなかった」と、ある女性ドライバーは話す。

そのドライバーは20代の若手人材。東海地方で自動車関連の会社にいたが、トラックドライバーに憧れ、地元の運送会社へ面接に行った。しかし採用には至らず、諦めきれずに求人サイトを見ていたところ、大阪府の事業者の求人情報を見つけ、すぐに応募したという。「正直なところ、『この会社も女性歓迎と書いてあるけども本当かなあ』と思っていたが、連絡するとすぐに面接に呼んでもらい、面接で中型免許すら持っていないことを伝えると、免許費用は助成するから、すぐに取りなさいと社長に言ってもらえた」と話す。大阪に引っ越し、まだ入社して数か月だが、期待の若手として活躍しているという。

 

別の運送事業者に所属する女性ドライバーも、同じような経験をしたことがあるという。「前職はデスクワークで運送業は未経験。面接に行ってやる気を伝えても、あまり歓迎という感じではなかった。人手不足の業界と聞いていたので、すぐに採用が決まるだろうと思っていたが、やはり未経験というよりも女性という点にひっかかっていたようだった。そんな中、今の会社が自分を拾ってくれて本当にうれしかった」と自身の転職活動を振り返る。現在は、4トン車のプロドライバーを目指し、日々安全運転に努めている。

前述の2人のエピソードにあるように、「女性歓迎」とホームページなどでアピールしていても、一部の運送事業者ではドライバー職の女性採用に高いハードルがあるようだ。理由としては、「社内に設備が充実していない」「これまで女性ドライバーを採用したことがない故のとまどい」「女性でも任せられる仕事があるか」などが挙げられる。

前述の2つ目の事例の事業者に話を聞くと、管理職が女性ドライバーに大いに期待を寄せている。「1人目の女性ドライバーが、2人目以降の良い見本となっていることが大きい。仕事ぶりや性格、荷主企業からの評価が高いなどあらゆる要素がそろっているため、ゆくゆくは管理職も任せたい人材」と話す。

業界全体で女性ドライバー、そして女性の管理職を増やしていくためには、社内の整備とともに、未経験者でも一から育てていくという体制が必要と言える。