下関海陸運送(山口県下関市)は、荷主と運送事業者を繋げる物流マッチングサービス「トモロジ」の提供を1月から開始した。同社福岡支店の岡野征治支店長は、「2か所積み・2か所下ろしに対応するなど、運送会社目線で作り上げた新しい求荷求車サービス」と語る。

 

荷主が荷物情報と希望運賃を登録し、その条件で走りたい運送会社が手を挙げ、先着順で契約が成立する仕組み。入札ではなく即決型の同サービスは、登録料や月額使用料は無料で、成約運賃の一部が同社への手数料となる。同支店長は、「入札を省いたことで、運送会社側は車両を待機させる必要がなくなり効率化が図れる」と胸を張る。

利用できるのは法人のみで、「荷主」、「運送会社」に加え、その両方の3種類。「運送会社が自社で請け負った荷物を出すことも可能で、利用運送の方も登録いただける。協力会社ネットワークの拡大でも活用いただきたい」。

 

「従来は、『空いているトラックをなんとかしたい』という運送会社側のアプローチが主だったが、トラック不足や2024年問題など、今後は『荷主側が運送会社を手配できずに困る時代』が到来するのでは」と分析し、事業化を進めたという。

 

同サービスでは、同社が荷主から運賃を収受し運送会社へ支払う。営業統括部の三浦浩之担当部長は、「運送会社は『取引のない相手から回収できるのか』という不安を口にされることも多い。運賃トラブルをなくすため、当社が間に入る」と説明。荷主は登録時に同社独自の審査を経て、与信限度額が設定されるという。また、「運送会社側の輸送品質を担保する目的で評価機能も搭載する予定」。

 

同社が介在するため、「荷主、運送会社側ともに、お互いの社名は分からない仕組みにしている」と同支店長。「運行日程の変更や料金の交渉、荷姿の詳細や搬入間口の広さなどの質問はチャット機能で確認いただけるので安心してほしい」。

 

「構想は一昨年から練っていた」という同サービス。岡野支店長は、「当社の配車担当者も、1日中、受話器を握って業務にあたっている。全社統一したシステムで配車の負担を減らしたい、というのが当サービスのスタート」と振り返り、「将来的には倉庫マッチングや海外物流との連携も検討したい」と青写真を描く。

 

◎関連リンク→ トモロジ