ヘルスケアネットワーク(OCHIS)はオムロンと共同研究を行い、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と高血圧の相関について調査を行った。

調査は昨年5月から10月までの間、トラックドライバー(男性)21人の協力を得て、 手首式血圧計とパルスオキシメータを同時装着して、 3日間の測定を行った。対象者は、あらかじめSASスクリーニング検査を終了していた、SAS陽性者10人、SAS陰性者11人で各SAS判定結果に基づき、生活習慣、既往歴などを比較、さらに睡眠中の血圧と血中酸素濃度・心拍数を同時測定し、その相関を調査した。有効データとなったSAS陽性者7人とSAS陰性者7人について、血圧比較を行った。血圧は就寝後睡眠時3回と就寝前・起床時の3日間、パルスオキシメータは3日分を測定している。

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結果を分析すると、SAS陽性者は陰性者に比べ、中途覚醒が多い、BMIが高い、高血圧・糖尿病の持病を持つ人が多い、睡眠時血圧、起床時血圧とも高い、飲酒習慣者が多かった、などの特徴が見られた。

また、起床時における血圧比較に関する表を見ると、SAS陽性者は起床時血圧が特に高く、循環器疾患において注意を要することから、今後は起床時血圧に着目した対応が求められる(高血圧の基準値は、睡眠時が収縮期血圧≧120または拡張期血圧≧70で、就寝前・起床時が収縮期血圧≧135または拡張期血圧≧85)。SAS陽性者の起床時血圧は、収縮期(上)、拡張期(下)とも基準値を超えている。

なお、睡眠中の血圧とSASとの関連においては、本研究では有意な関連が見られなかった。

SASは高血圧、さらには動脈硬化や心筋梗塞などといった心疾患の原因につながっていく。何よりもSASは無自覚な場合も多く、知らぬ間にリスクを増大させる恐ろしい病気であることを知っておくべきだろう。

また、SAS治療を行う場合は病院に頼るだけではなく、自身で生活習慣を改めることが不可欠。運動習慣をつける、減量に励む、飲酒や喫煙を控えるといった毎日の積み重ねがSASの改善につながっていくのではないだろうか。

 

◎関連リンク→ NPO法人ヘルスケアネットワーク(OCHIS)