精密機械の輸送をメインに事業展開する堀内工運・大内運輸(堀内健二社長、大阪市西淀川区)。同社は本社社屋の建て替えに伴い、業務拡大のため本社新社屋に物流倉庫を開設、昨年12月から稼働を開始した。

敷地面積は以前の約2.5倍の広さになり、220坪から574坪に拡張。従来は別の場所に設けていた駐車場を集約した。安全面と作業性を考慮して、正門の間口は8mから12mに広げた。

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新社屋は1階が倉庫で、2階に会議室や事務室、社長室、さらに休憩室やシャワー室、フィットネスジムなどを設け、福利厚生面でも充実した構造となっている。屋上には太陽光パネルを敷き詰めた。

そして社屋の外観は、「あえて運送会社らしくないデザインをイメージした。地域の企業や住民に喜んでもらえるようなデザインを心掛けた」と笑顔で語る堀内社長。オシャレでモダンな外観に加え、照明を多く取り付けて地域の防犯にもひと役買っている。

倉庫は、床面積が約330平方mで、天井高は5.5mと十分な高さを確保。最大の特徴は空調設備が完備されていることで、高温や湿度に弱い荷物、高品質管理を求められる荷物にも対応できるという。営業倉庫の許可も取得した。

「計画を立ててから3年を経て、無事に完成できた」と振り返る堀内社長。「前の社屋を建ててから30年ほど経過しており、建て替えを考えていた。また、本社と車庫を集約させたかった」ところ、運よく隣接する土地を購入することができ、建て替えを決めたという。

倉庫を新設した理由は、「高齢ドライバーの受け皿としての役割が大きい」。同社では安全面などを考慮して、基本的にドライバー職は60歳までとしているが、「これから先、ドライバー不足も深刻化し、高齢化も問題となるであろう。ウチも平均年齢が上がってきた。定年を迎えた時に、トラックを降りても倉庫があれば、そこで荷さばきなどをして働き続けることができる」と、継続雇用が1番の目的と言い切る。「長く頑張ってくれたドライバーには手厚くしてあげたい。体が動くうちは少しでも長くウチで働くことができれば、従業員も、その家族も安心できるのではないか」

新社屋の完成に、「心地の良いプレッシャーを感じている」と気を引き締める堀内社長。同社では、保有するトラックは常に洗車して新車同様の状態を保っているが、「トラックと同じく、倉庫も常にきれいな状態でセキュリティーも万全にして預からせて頂く。運送と倉庫の二本柱になり、プラスアルファの相乗効果につなげたい」とし、「中身が強い、芯のある会社にしたい。その考えはぶれない」と持論を展開する。