運送業における防犯では、主にトラックやタイヤなどが置いてある外に目が向けられやすい。しかし、日中の事務所での防犯には果たして力を入れているだろうか。

2019年の京都アニメーションでの凄惨な放火殺人事件をきっかけに、同じ京都に本社を構える日本最大級の防犯・防災のプロ集団のネットワークを運営する、セキュリティハウス・センター(京都市山科区)では、ほとんど対策がなされてこなかった日中のオフィスの防犯について、システムづくりを行っている。年末のこの機会に、社内の防犯環境を今一度見直すのはいかがだろうか。

同社が提案する「令和時代の新しい守り方」では、建物への出入り口では、顔認証もしくはカード式で出入りできるようにすることで、不審者侵入を防ぐことができる。検温機能と顔認証システムを活用すれば、体調チェックも同時に可能に。

受付の様子を多くの社員が見られるように社内用モニターを設置することで、万が一緊急事態が発生した場合は警報音が鳴り、社員がモニターで様子をモニタリングすることができる。また、パーテーションでオフィス内の間仕切りを行うことで、ワークスペースへの不審者侵入も防ぐ。さらに、新型コロナウイルスの影響で非接触が求められるなかで、オートドアにすることもポイントだ。

同社のネットワークの一員であるセキュリティハウスSE(スパックエキスプレス、東京都港区)の三宅勇雄社長は、日中の防犯対策について「これまでの不審者による放火・殺人事件では、不審者が簡単に建物に侵入できたこと、不審者の侵入が全員に伝わるのに時間がかかったなどの原因で、多くの方が犠牲になった。防犯と利便性はこれまで相反するものとされてきたが、我々のシステムならオフィスの自動化で、社員の安全性を高めることができる」と話す。

セキュリティハウスSE(スパックエキスプレス)では、今年9月に新オフィスへ移転したのを機にショールームを設置。日中の防犯対策、いわば〝守り方改革〟のデモンストレーションが実施できるようになっている。

京都アニメーションの事件では、不審者の侵入が全社員に即座に伝わらなかったこともあり、多くの尊い命が失われた。三宅社長は「二度と同じような事件を起こしてはならないと、我々は今までの守り方を見直し、事業者の方に啓蒙している。今後は、社員を健康面だけでなく防犯という切り口からも守ることが、求職者の企業選択の1つのポイントに十分なり得るのではないか」と話した。

 

◎関連リンク→ セキュリティハウスSE