伊藤忠商事(石井敬太代表取締役社長COO、東京都港区)はこのほど、環境省から公募された「令和3年度バッテリー交換式EV開発及び再エネ活用の組み合わせによるセクターカップリング実証事業」に応募して採択されたことで、いすゞ自動車(片山 正則社長、同品川区)などのパートナー企業4社と共同参画し、バッテリーを交換して走る電気自動車(EV)トラックの開発に乗り出すことを決めた。

同社傘下にあるファミリーマートの食品配送車として、令和4年度後半から開発されたEVトラックを使用し、利便性やコストを検証するという。

トラックなどの商用車の運用でEV化の課題の一つとして、充電時間を多く労してしまうことが挙げられるが、この実証実験では埼玉県三郷市の物流拠点から関東地方のファミリーマート店舗へEVトラックで商品を届けることを想定。バッテリー交換ステーションを設置し、約3分で交換可能な仕組みを構築するという。バッテリー交換ステーションの開発は、JFEエンジニアリング(大下元社長、同千代田区)が担い、災害時の電力供給源としての活用も検討する方針だという。

同社は、中期経営計画の基本方針にSDGsへの貢献・取り組み強化を掲げており、「これらの取り組みを通じて、物流網の脱炭素化に貢献し、持続可能な社会の実現に向けた課題解決を目指していく」と示している。