トラックの適正原価運賃制度を創設した昨年6月の貨物自動車運送事業法改定は、「トラックドライバーの適切な賃金の確保」(国交省)が目的だった。「トラック運送業界の質の向上」(同)も併記されるが、主目的は乗務員賃金の確保(図)。つまり、「適正原価を下回らない」との制度創設の主旨は、トラック運賃を過当競争市場の状態から転換させ、乗務員の勤務先に賃金アップの原資を“まずは”呼び入れること(図手段②)にあった。“緊急輸血”だ。だが、制度がまだ施行されない〝輸血前〟のいま、「輸血機器などは用意するが、血液そのものは用意しない。欲しければ各自で用意を」とのメッセージが国交省から相次ぐ。過当競争を抑止する〝止血〟メッセージも出ないまま輸血機器だけが製造されていく現在。製造側にだけ任せてはおけない―。製造側の意図を見極める時間は限られている。