今年6月に求荷求車サービスをリニューアルし、「物流の仕組みを、未来へ加速させる」というミッションの実現へ向け、さらに前進するトラボックス(東京都渋谷区)。片岡慎也社長(写真左)は、「コロナ禍の経済の落ち込みで、当社サービスの利用状況にも影響が出ていたが、直近9―11月の3か月は2019年並みに戻ってきた」とし、「11月の荷物量は一昨年比で137%を記録した」と説明。「荷物を求める運送事業者さんが多くなっている状況で、新規会員も増えている」という。「車両不足の影響で、求車も増加傾向にある」とも。

 

会員事業者が増え続ける中で、「情報の登録をいかに容易にするかが、マーケティングの観点からも商品企画としても非常に重要」と話す同社長。吉岡泰一郎会長(同右)も、「6月のリニューアルは長年使ってくださっていた会員さんからすると大きな変化と受け止められたはず。変えるならより良く、より使いやすく、今までになかった機能は追加していきたいという思い」と振り返る。今後について同社長は、「できるだけ会員事業者さんのもとに足を運んでヒアリングを行い、要望をもっとお聞きできる体制にしていきたい」とし、運送事業者に「寄り添う」姿勢を見せる。

 

同社が大切にしているのが会員事業者との密な関係。コロナ以前は各地で開催していた人気の交流会についても、「今年はオンラインで2回実施し好評だった」というが、「やはりリアルでお会いしたい」というのが本音。「私たちも会いたいし、事業者さん同士が顔を合わせて、直接、情報交換できるのがオフラインの強み」とし、コロナ禍の社会情勢に配慮しながらも年明け以降に定期的に開催していく構えだ。

 

「会員事業者の利益率を上げること」を重要視し、「そのために、会員各社の売上が上がり、経営コストが下がる支援に注力していく」と語る片岡社長。同社では、メーンである求荷求車と並行して次世代TMSの開発も進めているという。「コスト削減と売上拡大を並行して支援し、運送事業者の経営を積極的にサポートしていきたい」。

 

同社長は、「モノづくりのプロフェッショナル」として、さまざまな有名サイトの企画・開発などを手がけた経歴の持ち主。このキャリアに、「会長の吉岡が築いてきたネットワークも加えて、今後のトラボックスを作っていく」と展望。「より良いサービスを作って、日本の物流をさらに進化させていきたい。そのために、まずは目の前にいる会員事業者さんの満足度の向上に注力していく」と語る。