第168回:問われる「プロドライバーの価値」
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Image: weekly-net.co.jp
日本事故防止推進機構(JAPPA)の上西です。2031年から新車に居眠り運転や「ながら運転」を検知するシステムの搭載を義務化する方針が報じられました。
背景にあるのは、ながら運転による事故が一向に減らないことです。【昨年】は携帯電話などの使用による死亡・重傷事故が148件発生しました。罰則が強化され、「ながら運転は危険」という認識がこれだけ広がっているにもかかわらず、事故はなくなっていません。
このニュースを見て、安全対策がさらに進むことへの期待と同時に、少し寂しさも感じました。なぜなら、本来は人間自身がやめれば防げる事故だからです。危険だと、違反だと分かっていても「少しくらいなら大丈夫」「一瞬だけなら」とスマートフォンに手を伸ばしてしまう。人間が自分自身を律することができないから、車が運転者を監視する。そんな時代になろうとしています。
もちろん、システムによって1件でも事故が減り、1人でも命が救われるのであれば、導入には賛成です。しかし、自動運転時代が迫るなかで、この状況はプロドライバーにとって決して他人事ではありません。その先には「人間に運転させない方が安全ではないか」という議論が待っています。だからこそ、今後ますます問われるのは「プロドライバーの存在価値」ではないでしょうか。
ルールを守り、体調を管理し、危険を予測し、人の命を預かっているという責任を持ってハンドルを握る。「人間が運転するからこそ安全だ」、そう社会から評価される存在でなければ、プロドライバーという仕事の未来は決して安泰ではない。今回のニュースは、「人間が運転する価値とは何なのか」を改めて考えさせられるニュースでした。
