フレッシュ物流 こだわり続ける自社便100%、「ピュアな実運送会社」貫く

フレッシュ物流(福長万里子社長、三重県四日市市)では1984年の創業当時から傭車を利用しない自社便100%の運行にこだわり続け、輸送・安全品質の維持・向上に力を注いでいる。
創業者である小林茂現会長と、小林氏から2020年に社長のバトンを託された福長社長はいずれも大手運送会社の出身ということもあり、かつては傭車・他社便が当たり前とされる環境下で物流現場を経験。懐が深くフットワークが良いその高い利便性の一方で、他社便利用ならではの課題やトラブルも多く学び、次第に「自社便輸送」への思いを強めていった。
現在の輸送体制を構築・実現するには豊富な車両展開だけでなく、ドライバーの確保と品質を保つための教育などが肝となる。仕事は受注の段階から「傭車ありき」ではなく、自社便使用を前提とした動きが求められ、当然、どんなに綿密な運行スケジュールを事前に組もうとも、体調不良などで突発的な欠員が生じた際には管理者らも即、現場の一員に。そんな動きを後押しするように会社は成長の過程で愛知県弥富市から三重県松阪市までの随所にネットワークを広げ、現在の輸送を支えている。
人材育成に関しては社内研修や清掃活動などを通して安全面や仕事面だけでなく人間力の向上にも磨きをかけ、行動指針は言語化して冊子としてまとめ、配布。立場や年齢に関係なく注意を促せる「相互注意」も採り入れていきたいとのことで、仕事全体の基礎となっている「人」へのこだわりにも余念がない。
今後については「実運送会社がなかなか利益を残せない今の業界の仕組みのなかで、しっかりと裏打ちされたデータや数字を踏まえた運賃交渉が必要となってくる」と語り、そのうえで「これまで通りのスタイルを貫き、『ピュアな実運送会社』としてやっていきたい」と笑顔を見せる福長社長。「フレッシュ物流だからお願いしているという顧客の信頼を裏切りたくない」という言葉には、自社便輸送に取り組み続けている同社の決意が込められる。
◎関連リンク→ フレッシュ物流株式会社