長年培ってきた空間情報技術とそのノウハウを活かし、物流業界向けソリューションを提供しているパスコ(東京都目黒区)。配車管理システム「LogiSTAR配車管理簿」や、動態管理システム「PASCO LocationService」など、物流の現場をサポートするシステムを開発している。

 

「『配車マンを超える配車』を期待してシステムが導入されるが、結局、『配車マンの手間が増えるだけ』という結果に陥りがちだった」と切り出すのは、営業統括部長の井手修平氏。「そもそも配車はドライバーの稼働状況や労務面を把握した上で、安全性にも考慮しなければならない」と業務の複雑さを指摘。

さらに、「システムに取り込むための荷物情報や配送指示がデジタル化されておらず、わざわざ手入力するケースも少なくない」とも。「結局、『紙と鉛筆の方が速い』と高額なシステムが無用の長物となってしまう現場が多かった」と分析する。

そこで同社では、「配車マンの配車プロセスをプログラム化する『プログラム配車』を開発し、計算などコンピューターが得意な分野と、熟練のノウハウを反映させた配車組みを実現できるようにした」という。

同部長は、「事業者単体で導入するシステムは『部分最適』に過ぎない。当社は輸送全体の最適化を目指し、上流からデジタル化する仕組みを構築したい」と語る。「荷主には『エクセルやいま使っている形式で構わないから』と、データで指示をもらえるようお願いしている。最初は戸惑われるが、荷主もその方が手間を削減でき、ウィンウィンのはず」。

また、モノフル(同港区)が提供するトラック受付・予約サービス「トラック簿」やナビタイムジャパン(同)の「ビジネスナビタイム動態管理ソリューション」とも連携。「配車マンの工数を削減でき、ドライバーもスマホをモバイルナビゲーションとして活用できる」。

 

 

「現状では、『受注してから車両を探す』というのが一般的だが、今後は『車両リソースありきでの配車計画』が重要な考え方になってくるだろう」と予測する同部長。「物流の課題解決に向け、ワンストップでサポートしたい。ユーザーとともに、効率的・持続的・安定的な『強い物流』を目指して行ければ」と呼びかける。

 

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