夜間を中心にSA、PAの駐車スペースが不足する深刻な状況に対応するため、現場の声を全国から吸い上げようと全ト協などもアンケート調査を実施しているが、実際にハンドルを握るドライバーからは「自分らの長時間労働を解消するには高速道路の深夜割引をやめること。そうすれば駐車スペースの半分以上が空きになる」との訴えが聞こえる。莫大なコストと長い時間をかけて施設を拡張するよりも、「SAで時間をつぶすトラック」を減らすのが先決という主張だ。一方、女性ドライバーからは駐車場不足とは別の問題解消を求める声も上がった。

時間帯割引を受けるために平日の深夜帯に、東名高速上りの東京インター出口の周辺で「時間調整」をするトラックの違法な駐・停車が大きな問題となって久しいが、「道路会社から先日、(同インターでの行為に対して)警告書が届いた」(高速道路の共同利用事業を手掛ける協組関係者)と、いまも危険な光景が続いているのが実情だ。

 

〝どこのSAやPAが満車で困りますか?〟と県内の高速SA・PA、トラックターミナルで休憩中のドライバーに話を聞くと「新東名の場合はどこのSAというのではなく、深夜になればどこもが満杯状態になる」(佐賀ナンバーの大型ドライバー)という。そのために「違法行為だと分かっていてもSAへの入出路にトラックを止めてしまうことも少なくない」と話す。

「深夜割引をなくしてほしい」(北九州ナンバーのドライバー)。行き2泊、帰り1泊の運行とのことで「早く家に帰りたいのに、降りるインター手前のSAで(割引が受けられる)深夜零時まで6時間も時間をつぶしたこともある」と話し、「長時間労働をなくすためにも深夜割引をやめ、新しく『輸送割』を作ってほしい」と提案する。

『輸送割』という言葉は複数のドライバーから聞かれた。「ヨンサンマル(4時間走行ごとに30分間の休憩)を会社から厳しく指導されているが、いまのSAの混雑ぶりでは計画通りにいかない」(福岡ナンバーの大型冷凍車のドライバー)。その一方で「関東と往復する場合、深夜割引の有無で高速代が1万3000円ほど違ってくるから待たざるを得ないのが実情。少し割引が落ちても365日・24時間、いつ乗り・降りしても大丈夫という営業ナンバー対象の『輸送割』が欲しい」と力がこもる。

ほかにも「深夜割引をなくしてほしいと思っているドライバーは多いはず」(宮崎ナンバーの大型ドライバー)、「高速代を払って時間を買っているのに、結局は時間つぶしで元も子もない」(鹿児島ナンバーのトレーラ運転者)といった声が噴出。

一方、女性ドライバーからは少し違った要望もあった。一般国道なども含め、かねて指摘されてきたトイレ不足の問題。「トイレが一定区間ごとにある高速を使う仕事に変わったので助かった。最近はトラックを入れてくれないコンビニもあり、一般道を走る場合は大変」と、4トン冷凍トラック(岡山ナンバー)の女性ドライバーは言う。