萬運輸(東海林憲彦社長、横浜市鶴見区)は、仙台配送(尾上寿昭社長、宮城県仙台市宮城野区)との中継輸送提携スタートを記念した車両を導入した。最大の特徴は両社のカラーを施されたデザイン。車体片面は萬運輸の車両のデザイン、もう片面は仙台配送の車両のデザインとなっており、キャビン中央から左右で異なるカラーリングが施される。斬新なデザインが両社の協力体制を象徴している。

車両は神奈川・宮城間の中継輸送業務で使用。中継地点で両社のドライバーが入れ替わる。「今後、社内でも中継輸送を拡大していく」という東海林社長。背景には働き方改革への対応がある。「若い世代を中心に、出来ればその日に家に帰りたいと考えるドライバーは少なくない」と同社長。また、月間の拘束時間を守りながら、関東・東北間の長距離輸送を行うためには複数のドライバーが必要となる。中継輸送による日帰り運行の実現がこれらの課題を解決する。

東海林社長と尾上社長は旧知の仲。様々なリスクが想定される中継輸送だからこそ、トップをよく知るパートナーを選んだ。尾上社長もドライバーのことを本気で考える社長でなければ協力体制の構築は困難と強調する。「外食が増えることで、健康だけではなく、経済的にもドライバーの負担が増える」と長距離運行の問題点を指摘する。

運送業界では一人一車制をとる会社は多い。車両の固定が中継輸送を行う上でハードルとなることも少なくないが、仙台配送では荷物に合せて車両を選択する体制をとっており、トラックを乗り換える中継輸送にもスムーズに対応が可能だった。

「中継輸送に関してはネガティブな意見が多いが、事業者同士がしっかりしていれば問題ない」と東海林社長は強調する。「働き方改革にプラスになるだけではなく、車両あたりの売り上げを伸ばすことができる」と期待を寄せる。

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