海外からの人材派遣・紹介・特定技能登録支援機関のアプライズ(岩堀克英社長、東京都品川区)が2月20日、東京プロマーケットに上場した。外国人の人材サービス事業者としての上場は同社が初めてで、現在、国内唯一となっている。

アプライズの設立は2014年6月で資本金は4000万円。現在は、主にベトナムからの留学生や技能実習生と、日本企業との橋渡し役を行っており、2023年6月時点での派遣スタッフは約600人。「ベトナムからの留学生や技能実習生が2012年から大幅に増加したが、ブローカーによる搾取のケースが多く、求職者からお金を取る企業が大半だった。その状況を嘆いた当時の駐日ベトナム大使からお金を取らずに就職できる機会を与えてほしいとの依頼を受け、ボランティア活動としてスタートした」。

現在は、「この業界でもきちんルール作りをして、お互いに将来性のある関係でいられるよう、信用ある企業として業界・企業・求職者たちの役に立っていきたい」と話す岩堀社長。2023年12月期の業績は、売上高6億2148万円、営業利益1759万円、経常利益2349万円、当期純利益は2808万円。2024年12月期の見通しは、売上高7億4578万円(前期比120%)、営業利益3294万円(同187%)、経常利益3510万円(同149%)、当期純利益は2226万円(同79%)。

「2024年問題」も含め、厳しい人材不足への対応として、トラック運送業界でも外国人の労働力を求める動きが活発化しており、特定機能実習生や技能実習生の在り方等の見直しが進められている。方向性等は徐々に固まりつつあるが、特にトラックドライバーに関しては運転免許の問題も絡む。同制度や情報に詳しい岩堀社長は「諸々の決定事項が正式に発表されるのは今年秋口以降になるだろう」と話す。

アプライズではこれに先駆け、ベトナムの大学で物流学と日本語を学んだ上で来日し、日本の物流を学びたいとする留学生たちに、ベトナム国内で日本式の運転を教えながら免許取得を進めるプログラムを企画、一部の国内物流企業に提案を開始している。

 

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