カゴ台車や6輪カート、折りたたみコンテナに保冷シッパーなどの修理を全国で展開しているカーゴメンテナンス(小嶋新矢社長、愛知県みよし市) では「修理を通して修理の発生を減少させる」というポリシーで現場ファーストのサービスを提供し続けている。

 

修理業者が修理を減らす努力をするとは矛盾を感じる話だが、小嶋社長は同じ現場に長く携わることで生じる企業にとってのリスクを懸念し、その上で「関わった現場のトラブルをなるべく抑えて素早く次の現場へと仕事を移していくことが望ましい」と明言。

 

物流現場に欠かせないカゴ台車を例に取れば実に故障の9割を占めるのはフレームの湾曲によるトラブルだが、先述の姿勢で臨むなかでは修理と同時に補強をはかるとともに輸送現場におけるラッシングベルトの取り扱いや台車の配置、さらには次に新品を購入する際の「メーカーへの要望」まで伝える。

 

そんな流れから自ずと相見積もりのシーンでは価格競争において優位に立てない状況もあるというが、「『修理を出さないための修理』をデータなど示して理解してもらうしかない」との見解。目先の価格差だけではない長期目線でのトラブル防止やコスト削減に目を向けてほしいとの考えを示す。

 

また販売やレンタルを行わず修理のみに特化していることから「メーカーの選定や台車の特徴など、忖度のないアドバイスを行える」と語る小嶋社長。「古いカゴ車ほど強度が高かったりするので、見かけると『大事にしたほうが良いですよ』と提言する」とのエピソードからも、同社の現場へ対する実直な姿勢が伝わってくる。

 

◎関連リンク→ カーゴメンテナンス株式会社