シーエーシー(東京都中央区)は三井物産グローバルロジスティクス(MGL)本牧第一流通センターに「顔認識機能付き異常体表温スクリーニングアプリケーション」を納入した。同センターで勤務する200ー300名の従業員が通る場所に同アプリを設置し、出社時だけでなく休憩時間など、1日数回の検温を実施している。

MGLでは同アプリを導入するまで、フリアーシステムズ社のサーモグラフィカメラを使用し、社員立ち会いのもと検温を実施。毎朝、同じ時間帯に大勢が出社するため、従業員ごとの検温結果の把握や測定時間の記録が困難で、不測の事態が発生した場合の状況把握にも課題を抱えていたという。

こうした課題に対して同社では、シーエーシーの提案で同アプリを採用。同社の及川剛プロジェクトマネージャーは、「ウォークスルー型で世界トップクラスの精度を誇る台湾・サイバーリンク社の顔認識エンジンと導入されていたフリアーシステムズ社のサーモグラフィカメラを併用することで、立ち止まることなく検温が可能」と説明。「本人認識率は99.7%。マスクをしていても95%の精度で、斜めを向いた顔や大人数でも高い確率で顔を認識できる」という。

個人の識別には事前登録が必要だが、従業員一覧のCSVファイルと顔写真データがあれば一括で可能。ドライバーや派遣スタッフなど、初めて現場に来るという場合でも、従業員自身がスマートフォンなどで基準に則って顔写真を撮影し事前に登録することができる。

同アプリでは、履歴から登録者ごとの平均温度と照合し、異常者を検出する。同社の光高大介氏は、「37.5℃を超えた人を一律に異常と判定するのではなく、例えば、その方の過去1週間の体表温の平均から1℃以上、上昇している場合に判定するなど柔軟に運用できる」と説明。

さらに、「気温の暑さ・寒さによって体表温に影響が出ることもあるが、『周囲温度取込調整機能』で、温度をプラスしたりマイナスしたりと調整可能」。また、「複数台での設置や入退出システム、勤怠システムとの連携もカスタマイズできる」という。

最小構成の導入で初年度は98万円から(ユーザー数などで変動あり)。2年目以降のランニングコストは、顔認証システムの利用料が年間14万円から。

「数万人規模の登録者でも問題なく稼働できる」と話す光高氏。及川氏は、「ニーズに合わせてカスタマイズできる。相談いただければ」と呼びかける。

 

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