プロデキューブ(大阪市北区)は、ドライバーや運行管理者を経験した講師陣が座学での講習だけでなく添乗指導も行い、運送会社の安全教育と管理者育成を支援している。「コロナ禍を契機に開始した『安全教育の日めくり動画カレンダー』事業も好調で、日々申し込みが来ている」と語るインストラクターの溝口朝久氏に話を聞いた。

 

同社では、ドライバー・管理者・経営者を「お三方(さんかた)」とし、「お三方よしプログラム」を提供。「教える文化」と「考える習慣」を社内に定着させ、安全対策と品質向上を目指すという。「3者間で志を同じくし、自社内で安全教育を回していくことが当社の目指す理想ではあるが、運送会社それぞれに事情や優先度合いがあるため、各社のニーズに合わせてドライバーだけ、管理者だけなどのプログラムも提案している」

 

期間も、スポットから定期まで様々な依頼に対応。「『安全教育は、やり続けることが大事』と、何年も毎月必ず実施される企業もあれば、年に一度の安全大会に呼ばれることも。荷主さんから勧められて研修を始められたケースもある」

同氏も運送会社でドライバーとしてハンドルを握り、運行管理や安全管理の経験を持つが、「講師をしていて、ドライバーさんや管理者さんから学ぶこともたくさんある」と明かす。「たとえば、トレーラーはヘッドを切り離す際に多くの手順を踏むが、あるドライバーさんは途中で話しかけられたりして作業が中断した場合は、あと1歩で完了だったとしても最初からやり直すと決めていた」とし、「ほかの顧客にもアドバイスとして伝えることもある」という。

 

また、「悩みを抱えるドライバーも少なくないが、その悩みは共通していることが多い」とし、「自分自身がドライバーとして体験したことやほかのドライバーの行動にヒントがあることも。そういったことを共有すれば、参考になるはず」と語る。

 

対面での講習や添乗指導を中心に行ってきた同社。「コロナ禍で対面が難しくなった時に、何か安全に関する発信ができないか、と始めたのが日めくりカレンダーだった」と振り返る。カレンダーにはQRコードがついており、「毎日かわる1分間の点呼用動画」に加え、今年4月からは法定12項目に対応した「10日でかわる3分間の研修用動画」も追加。費用は1拠点あたり月額6000円(税別、初期費用別途)。

 

「教育にかける時間も拘束時間になるため、『2024年度からは、ドライバーを集めての研修がより難しくなる』という声をよく聞いており、動画配信のニーズは高まっている」と実感。ただ、動画ならではの苦労もあるようで「とにかく見る人の記憶に残したい」とあえてスマホだけで完結させず、紙に印刷した穴埋めクイズなども確認テストで用いている。「管理者さん、ドライバーさん双方にほんのひと手間かけていただくことが会話の糸口になる。これは非常に重要」と強調。「おかげさまで大ヒットになっている」と語った。

 

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