経営再生物語(368)リーダーシップについて(5)―3
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リーダーシップは人間性の豊かさなくしては、本物でない。「この人についていこう。海の中、火の中でもついていこう」と思わせる究極の者は、リーダーの人間性である。リーダーたる者は、人間性を深くしていく、豊かにしていくように人生修業し続けるべきである。徳を積むことが大切である。
業績(売上高、利益)は結果であり、リーダーの人間性こそ大切である。リーダーシップは、組織風土に影響を及ぼし、職場のモラルを向上させ、それが業績へとつながっていく。
組織風土は、①組織構造(職務、手続き、規則が明細に規定されている程度)②責任(決定に対する自由裁量と責任感)③危険負担(職務や目標に対する挑戦の意識)④報酬制度(昇給や昇進、懲罰)⑤支持的人間関係(良い仲間意識や相互扶助)⑥コンフリクト(意見の対立の解決の仕方)などの要素からなっている。
こうした①から⑥の要素はリーダーシップの質で内容が決定され、モラルを育む。何故、人間性が豊かでなくてはならないか。言葉をかえれば、私心のなさがなぜ大切なのか。
A氏は、税理士という資格がなくてもその上に立ち、所長すらも活用して、200人以上の実務リーダーになりえているのは、知識の量でもなく、資金力でもなく、それは人間力としかいいようのないものである。したがってリーダーは、人間力を鍛えなければならない。
人間力とは何か。それは、人と人との間にあって心服され、尊敬される人間性であり、人の心の痛みや喜びに感応し、相手のことを思いやることができる心の働きである。
感謝の念をしっかりもって生かされている感覚、人に支えられているという謙虚さも人間力の要素である。何事も、ありがたいと思って努力し続ける中で、リーダーシップの力は向上する。
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