「ドライバーの負担軽減として始めたトラックコーティングだが、思わぬ効果が得られている」と話すのは八信陸運(東京都足立区)の市川鉱治社長。

同社では食品輸送を手掛けているため、日々トラックを清潔に保つことが求められており、ドライバーにとっては、こまめな洗車など、トラックの管理が重要な業務ともなっている。

「トラックを日々きれいに保つにはどうすればいいか」ということで、同社では、昨年夏に乗用車でやっていたコーティングをトラックに試しにやってみたという。同社のトラックをコーティングしたのは、燃料ディーラーとして石油製品の販売を行う一方で、車のコーティングに力を入れるENEOSウイングが提供する「KeePerコーティング」。

同社長によると、最初は4トン車のキャビンだけに実施したが、思いのほか効果があったという。

走行中、トラックのパネルやバンパーに虫などがくっつくと、これまでは水をかけてブラシでこすらないと汚れが取れなかったというが、コーティングを実施すると、ホースで水をかけるだけで汚れがすぐに落ちたという。

「トラックがピカピカになり、さらにドライバーの負担軽減につながる」。コーティングは一石二鳥となり、キャビンだけなく、箱の天井以外のすべての側面までコーティングを実施するようになった。

コストをかけてトラックをきれいにしたことに加え、ドライバーの洗車への負担を軽減したことで、新たな気づきにもつながった。

「汚せないという意識が高まったのか、ドライバーは気が付けばスポンジで水洗いをするようになった」という。さらに、これまでトラックにどちらかというと無関心だったドライバーも洗車への意識が高まっているようで、「コーティングを実施してからどんどんトラックがきれいになっていく」と同社長は満足げに話す。

当然、ピカピカできれいなトラックを使うため、荷主にも好評で、同社に対する信頼も厚くなってきているという。

同社長は、「決してコストは安くはないし、トラックに対して、果たして必要かとの意見もある」としながらも、「当社では、コストに見合うだけの十分な相乗効果が得られており、トラックコーティングは、うちにとって欠かせない取り組みの一つになっている」と指摘する。同社長は、「きれいなトラックを維持するということは、結局は事故防止にもつながるので、メリットは大きい」と打ち明ける。

◎関連リンク→ 八信陸運株式会社