夜間は昼間よりも、大きな事故に繋がりやすいと言われています。夜間は疲労の蓄積や視界の悪さから、昼間とは違った危険が増えるからです。ここでは、夜間運転中の事故原因や、安全対策を紹介します。

データから見る夜間の死亡事故の増加

交通量が多い日中は、夜間よりも事故件数が多くなっています。しかし、死亡事故は夜間に発生しやすいのです。警察庁交通局が発表した「平成26年中の交通事故の発生状況」のデータでは、夜間の死亡事故率は昼間の2.7倍にものぼっています。夜間の事故は、昼間よりも大きな事故に繋がりやすいようです。

夜間運転中の4つの事故原因

夜間は交通状況や視界、身体的疲労などから日中とは運転環境が大きく異なります。ここでは事故が起こってしまう要因を、4つ紹介します。

①漫然運転や居眠り運転をしている

日中の集荷作業や配達によって疲労が蓄積している場合、注意力の低下によって漫然運転になる危険性があります。注意力が低下した中での漫然運転は、危険回避のスピードを遅らせ、事故に繋がりやすくなります。また、夜間は眠気に襲われやすいので、居眠り運転に陥る危険回避もあるのです。

②気づかないうちにスピード超過

日中に比べて交通量が少なく、景色にも変化がないため、気づかないうちにスピードが出ています。夜間は、スピード超過による事故も増えています。

③危険に気づきにくい

夜間は周囲が暗く視界も限られてしまうため、危険の発見に遅れてしまいます。道路を横断する歩行者や、警告を出している標識の認識に遅れることがあり、事故を引き起こしてしまうのです。

④対向車のヘッドライトによるグレア現象

グレア現象とは「自分の車と対向車のヘッドライトが重なり、お互いの光が反射し合う」ことで、間にいる歩行者などが見えなくなる現象です。道路を横断中の歩行者は、車からヘッドライトが向けられているため、自分を認識していると思い込み危険を感じずに渡ってしまいます。

夜間運転の安全対策

夜間運転の事故を防ぐ、安全対策を紹介します。意識次第で簡単に取り組める内容になっているので、是非実践してください。

余裕をもった運行計画

事故の大きな要因は「疲労」です。疲労によって注意力・集中力・判断力が低下します。ですので、疲労を回復しながら運転をするのが、安全運転の第一歩となります。疲労を感じた時に休憩を取れるよう、余裕をもった運行計画を立てましょう。

スピードを視覚的に確認

夜間走行では気づかぬうちにスピード超過しているので、スピードメーターで速度をチェックしましょう。スピードを落とせば、急ブレーキの際にも停止距離を短くできます。また、万が一事故が起こっても衝撃を減らせるので、大きな事故を防ぐことに繋がります。

ヘッドライトの切り替え

状況に合わせたヘッドライトの切り替えが、夜間運転の事故防止に繋がります。ヘッドライトのロービームは前方40m、ハイビームは前方100mを照らせます。周辺に車がない場合は、ハイビームを利用して多くの視覚情報を集めながら運転しましょう。

対向車が走っている状況では、ロービームに切り替えることが大切です。ハイビームのまま走行すると、対向車を走る運転手の視界を奪い、事故のリスクを高めててしまいます。周囲の状況に合わせてヘッドライトを切り替えましょう。

夜間運転中の事故原因と、安全対策を紹介しました。事故を未然に防げるよう、しっかりと安全対策を行いましょう。