ドライバー不足が懸念される中、離職や休職を防ぎ、体も気持ちも快適な状態で効率良く仕事をしてもらうためには、トラックドライバーのストレス管理が重要になります。
この記事では、ストレス管理の方法として食事にも焦点を当て、食事がメンタルに与える影響とストレス管理術について考えていきます。


ドライバーのストレス状況

トラックドライバーは、日々の荷運びなどの重労働や長距離運送による長時間の拘束など、日々ストレスにさらされています。
肉体的な負担はもちろん、精神的にも負荷がかかり、辛い思いをしている方は少なくありません。
業務内容にもよりますが、ドライバーの多くは不規則な交替制勤務や何度も繰り返される再配達や残業、夜間走行を行っています。
長時間にわたって安全運転に注意力を払ったり、指定時間に間に合うよう配達したり、その日に配送すべき荷物を配達し終わらなくてはならないなど、日々精神的なストレスにさらされています。

食事におけるストレス

一般的な労働者においては、勤務時間中の昼休憩や夜休憩など食事の時間は、エネルギーを補給するとともに、リフレッシュできる時間です。
ですが、ドライバーの場合は食事の時間もリラックスできないケースが少なくありません。
特に大型トラックの場合、駐車できる場所が限られるので、食事を取りたくても、どこでも気軽に立ち寄れないという悩みがあります。
幹線道路沿いの大型駐車場があるコンビニや道の駅、ラーメン屋に立ち寄ることや高速道路走行時であればパーキングエリアなどがメインです。
しかも、食べるより昼寝をする時間を取りたいという理由で、パンやおにぎりを買って車内で済ませる方も少なくありません。
道の駅やパーキングエリアは、観光客向けのグルメスポットと化しており、勤務中の食事を取るには予算オーバーになるケースも多いです。
そのため、一番安く済ませられる蕎麦やうどん、ラーメンをすすって簡単に済ませる方もいます。
渋滞にはまってしまうと、食事休憩すら取れなくなります。
お腹が空くと注意力も散漫になるので、車内でハンドルを握りながら、常備していた常温保存できるパンや栄養補助食品をかじることやお菓子が食事代わりになることもあるほどです。

ドライバーのストレス軽減は重要課題

一般的な労働者の場合、勤務時間のちょうど中間に設けられる休憩時間や食事の時間はリフレッシュするのに最適です。
一方、ドライバーの場合、配送や渋滞などの関係で休憩時間が大きくずれ込むことも多いうえ、内容も簡素になりがちです。
食事内容が疎かになると、注意力が散漫になることや偏った食事は生活習慣病のリスクなどももたらします。
安全に業務を遂行するうえで、肉体的な健康と精神的な健康の維持は欠かせないため、休憩時間の確保とともに内容に気を付けることも大切です。

食事とメンタルの関係

食べ物は体を動かすエネルギーとなり、体を作るのに必要なだけでなく、メンタルにも影響を与えます。
メンタルをつかさどり、体の機能を動かす司令塔になっている脳は、ぶどう糖をエネルギー源として動きます。
そのため、糖分が切れると注意力が散漫となるだけでなく、精神的にイライラすることも少なくありません。
稀に、トラックドライバーによる煽り運転や一般ドライバーとのトラブルなどが起こるアクシデントが発生しますが、気性が荒いといった本人の性格の問題だけでなく、適切な食事を適切なタイミングで取れないことが影響している可能性もあります。

バランスが大切

脳がしっかり機能するためには糖分補給が欠かせませんし、荷運びや荷下ろしなど重労働をするエネルギーを補給するためにも炭水化物は欠かせません。
一方、日々使われる筋肉を保ち、毎日の筋肉の疲れを癒すためにはタンパク質も必須です。
体に入った栄養素を効率良く代謝するためや肉体的、精神的な疲労を緩和するためには、ビタミン類やミネラルも必要です。
快調で気持ちも軽く働くために、食物繊維も摂る必要があります。
つまり、栄養バランスの良い食事が大切です。
おにぎりやパンなど、炭水化物オンリーやいつも同じもので簡単に済ませるなど、偏った内容を避け、さまざまなおかずが食べられる定食スタイルが理想です。

メンタルヘルスを保つための管理術

メンタルを健康に維持するためには、食事のタイミングや内容が大切です。
忙しい毎日の中で、どのように食事管理をすればいいのでしょうか。

情報共有やアプリの利用

ルートが決まっている場合やよく走る道などがある場合には、大型トラックでも停められる駐車場があり、バランスの良い定食を手ごろな価格で食べられるお店をドライバー仲間と情報交換することや地図アプリやグルメサイトアプリなどを使って事前に押さえておきましょう。

1日の中でバランスを保つ

トラックドライバーは渋滞などの影響で、どうしても満足のいく食事が取れないケースもあります。
そのため、1日のトータルでバランスを保つ方法もあります。
朝はご飯に野菜たっぷりの味噌汁、タンパク質として卵と焼き魚にフルーツとバランス良く、お昼はおにぎりに野菜ジュースや整腸作用のあるヨーグルト、合間にビタミン補給のフルーツジュースやナッツ類をつまみ、夜は筋肉の疲労を癒す肉と豆腐に野菜とご飯といったスタイルです。

まとめ

ストレスが多いドライバーにとって、食事も大きな影響を与えています。
バランスの良い食事を適切なタイミングで取るのが理想ですが、業務上難しい場合には一日の中でバランスを取るようにしましょう。