路線バスのドライバーの仕事は、定刻通りに決められたルートを運行して、乗客を目的地まで運ぶことです。
バスの運転のほかにも、乗客の案内、料金の精算、車両点検など、やるべき仕事がたくさんあります。
本記事では、路線バスドライバーの主な仕事内容についてご紹介していきます。


そもそも路線バスとは?必要な資格とは

街中を走るバスには、路線バス、貸切バス、送迎バス、高速バス、深夜バスなどの種類があります。
これらのバスの中で、路線バスドライバーが運転を担当するのは路線バスです。
路線バスとは、一定のルートを定められた時刻表通りに運行する乗合自動車のことを指します。
運行ルートは、住宅地、最寄り駅、商業施設、公共施設などといったようにさまざまです。
通勤、通学、買い物、通院などのように、日常生活での移動を主な目的として利用されています。
高速道路を運行する高速バスも路線バスの一種と言えるでしょう。

路線バス運転手になるために必要な資格

路線バスのドライバーとして働くためには、大型自動車第二種免許が必要です。
大型二種自動車運転免許の受験資格は、21歳以上かつ運転経験が3年以上となっています。
なお、2022年に施行された改正道路交通法により、特例講習を受講すれば、19歳以上から大型二種自動車運転免許が取得できるようになりました。

路線バスドライバーの仕事の特徴

路線バスのドライバーの仕事は、国から許可を受けた運行ルートに従って、バス停間を時間通りにバスを運転することです。
交通事故や車内事故などに十分に気を付けながら、乗客を安全に目的地まで運ぶことが求められます。
路線バスドライバーの仕事の特徴をご紹介します。

1.すべての業務を一人で行う

路線バスドライバーの仕事の特徴は、一人だけですべての業務を担当することです。
路線バスは、ワンマンバスとして運行しているケースがほとんどです。
乗務員はドライバーだけとなるため、運転業務のほかに、乗客の案内や運賃の受け取りなど、さまざまな業務を一人で対応しなくてはなりません。

2.接客対応が求められる

接客対応が多いことも路線バスドライバーならではの仕事の特徴でしょう。
路線バスの客層は、小さな子ども、高齢者、妊婦、障がい者、学生などさまざまです。
ベビーカー、車いす、松葉杖などを利用する乗客もいます。
さまざまな乗客に対して常に気を配りながら、安全運転で運行することが求められる仕事なのです。
路線バスドライバーは、人と接するのが好きな方やコミュニケーションスキルが高い方にも向いている仕事と言えます。

3.4つ勤務体系がある

勤務体系が複数あることも路線バスドライバーの仕事の特徴でしょう。
路線バスの会社では、早番ダイヤ、遅番ダイヤ、中休ダイヤ、通しダイヤの4つの勤務体系が用意されています。
ドライバーは、これらの勤務体系をローテーションしながら勤務します。

路線バスドライバーの1日の仕事の流れ

路線バスドライバーは多岐にわたります。
バスの運転のほかに、運行表の確認、車両点検、忘れ物のチェック、清掃などさまざまな仕事があります。
自身の健康管理も、ドライバーの大事な仕事です。
ここでは、路線バスドライバーの1日の仕事の流れをご紹介します。

1.出勤

所属するバス会社の営業所へ出勤することから1日の仕事がスタートします。
運行管理者に出勤報告を行い、担当する運行ルートや到着時間などを確認しておきます。

2.アルコールチェック

専用の計測器を使って、呼気中のアルコール濃度を調べます。

3.車両点検

当日に運転するバスの点検を行います。
タイヤの空気圧、オイル、ブレーキの効き具合、灯火などに問題がないかしっかりと確認しなくてはなりません。
点検時に異常が見つかったら、すぐに管理者へ報告して対応します。

4.始業点呼

所属するバス会社の管理者と一緒に当日の仕事内容や注意事項などを確認します。

5.乗務

点呼が終わったら、いよいよ乗務開始です。
運行表に従いながら、安全運転でバスを運転します。

6.休憩

終点に到着したら休憩を取ります。

7.入庫

当日の運行ダイヤを完了したら、営業所に戻ります。
バスの車内を点検して、忘れ物などがないかをチェックしておきましょう。
車内の清掃や給油などを行う場合もあります。

8.終業点呼

営業所に戻ったら、管理者に勤務終了の報告をして、アルコールチェックを行います。
報告と検査が完了したら、その日の勤務は終了です。

まとめ

路線バスドライバーの主な仕事は、決められたルートにバスを運転することです。
安全運転を心がけながら、時間通りに運行しなくてはなりません。
接客スキルが求められることも、路線バスドライバーの特徴です。
小さな子どもから高齢者まで、幅広年代の人たちが利用しますので、乗客一人一人に気を使いながら、対応しなくてはなりません。
路線バスは、ワンマンバスでの運行が基本です。
そのため、ドライバー一人でさまざまな仕事をこなさなくてはなりません。
自身の健康管理もドライバーの大事な仕事です。
乗務の前後にアルコールチェックを行いますので、前日に飲酒する場合は仕事に影響しないように気を付ける必要があります。