【管理職編】54

「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウイルス影響の下で「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。

今号も前号に続き「管理職」をテーマに求められる役割、責任等に関し解説してまいります。(その3)

1.中小運送業の管理職に必要なスキル(行動編)
中小運送業の所長・管理職は多くのスキルが必要な業務です。今回は営業所運営を実施していくために必要な行動面のスキルについて説明してまいります。

(1)営業、顧客対応スキル
現場では会社を代表する立場となる所長には営業スキルが求められます。多くの所長はドライバー出身者が多いため、営業的な業務を苦手にしている方も多いのが実情ですが、荷主等顧客とのやり取りや運賃交渉、新たな顧客との折衝に関しては営業スキルが重要です。

現場で判断出来ない事項に関しては社長等経営者に確認しながら対応していくことも必要です。対人コミュニケーションスキルは最も必要なスキルと言えるでしょう。

(2)事故、クレーム等トラブル対応スキル
また、現場では納品トラブルやクレーム等、突発的な出来事が多く発生します。このため、所長には現場を収める対応力が求められます。事故発生時には二次被害の発生に注力し、車両、荷物の対応に全力を尽くします。クレーム対応に関しても、顧客への対応には被害、損害を最小限に収めるスキルが必要とされます。

(3)適正化巡回監査、労基署調査等への対応スキル
トラック協会に設置されている適正化実施機関による巡回監査や労働基準監督署により定期調査等への対応に関し、調査迄に点検・点呼記録簿、日報、運行計画・指示書、就業規則、各種報告書等を整備することが必要です。

調査員に対しては質問等に関し「簡潔に」「的確に」回答していくことが求められます。記録の改ざんや虚偽の陳述をすることがないよう誠実に対応することが求められます。

2.内部的業務に必要なマネジメントスキル
運送会社の所長は対外的な業務だけでなくドライバー管理等、内部管理業務スキルも必要です。