イーメディカルジャパン(東京都中央区)はこのほど、同社が手掛けるオンライン診療サービス「高血圧イーメディカル」を活用した「健康起因事故」防止に向けたサポートプログラムの提供を開始した。事業用ドライバーの血圧管理を専門的にサポートする。

 

「高血圧イーメディカル」は、初診から通院不要で、高血圧の専門医療チームによる診療がオンラインで受けられるもの。オムロンヘルスケア社製の上腕式血圧計が無償で貸与され、計測した血圧はBluetoothで専用アプリと連携し、自動的に記録する。

 

「自宅にいながら日々の血圧を計測・モニタリングできることが非常に重要」と切り出すのは、イーメディカルジャパンの久保田真也氏。「継続的に計測することは正しい血圧コントロールへの近道。血圧計から自動的にアプリに記録されることで自己申告を排せるため、信頼のあるデータになる」と指摘する。

 

医師側にもメリットがあるという。同氏は、「数値だけで血圧の推移を見るのは医師でも難しさがあるそうだが、当アプリではグラフで表示されるため確認しやすい」とし、「医療機関での計測の場合、緊張して血圧が上がってしまうこともあるが、それも防げる」と語る。

 

また、「オンライン診療ならではの利点で、血圧データをしっかり踏まえた上で、前回の診療時にアドバイスしたことの経過など1to1でコミュニケーションが図れる」とも。

 

同サービスでは、3年以上のオンライン診療実績のある医師、看護師からなる高血圧に特化した専門家チームが対応。診療は10―15分程度で、予約はアプリ上で選べる。「会議と会議の合間に診療を受けるユーザーもおり、多忙なドライバーでも便利に利用いただけるのでは」

 

同氏は、「高血圧は心疾患など深刻な病につながる可能性があるが、痛みなどの自覚症状が現れにくく、放置されてしまうこともしばしば。通院しようにも、待ち時間が長かったり、病院が遠い、効果が目に見えづらいといった課題も多かった」と肩を落とす。

 

「当サービスは始めやすく続けやすいことが魅力。一般向けに本格的にリリースしてから1年余りだが、継続率は9割ほどと高い水準」

 

法人の場合、基本的に自由診療となり、料金は、オンライン診療、薬代、薬の配送費、血圧計貸与、アプリでのモニタリングサービスなど含む「オンライン診療プラン」が月額4950円(税込み)、血圧経過観察のみの「モニタリングプラン」が月額1650円(同)。「どちらを選択するか、初回のカウンセリング診療で方針を決めたり、『ドライバーは前者、内勤スタッフは後者』といった利用をされている企業もある。料金についても、会社側が従業員ほぼ全員分を負担することもあれば、福利厚生として最初の数か月分を負担するパターンもあり、相談可能」だという。なお、12か月継続して利用すると、血圧計は返却不要となる。

 

同社の親会社は、「マーケティング精鋭集団」で知られる刀(大阪市)。「有名テーマパークをV字回復させるなどエンタメ領域で話題になることも多いが、『マーケティングで日本を元気にしたい』という思いから、医療領域への挑戦が始まった」という。

 

「健康経営を目指すにあたっては、明確な解がなく、これまでは『病院に行ってね』と従業員にお願いするにとどまっていたと聞くが、ひとたび事故やアクシデントが起きれば、その影響は甚大。当サービスが健康起因の事故を防ぐ『解』になれば」と呼びかける。

 

◎関連リンク→ イーメディカルジャパン株式会社