ディ・クリエイト(大阪府豊中市)では、自社で起きた事故の動画を教材化するサービスを運送事業者に提供している。上西一美社長は、「今年に入ってから特に依頼が増加している。月に10社から15社ペースで、これまでに100本以上の教材を製作している」と語る。

 

事故時の動画を同社に送付すると1か月ほどで完成。「以前はテロップのみだったが、現在は解説コメントも収録している」という。「教材は勉強会などで集まって見たり、LINEなどドライバー同士で共有いただいている様子」

 

同社長は、「起きてしまった事故を最大限生かすには教材化するしかない。当人のドライバーはもとより、他のドライバーも含めて、事故回避の『引き出し』が増えれば」と表現。「同僚から指摘されると角が立ったり、『気をつけろ』といったあいまいな言葉で指導したつもりになってしまうが、我々がプロ目線で解説することで納得感が増す」という。

 

「たとえば高速道路でのスリップ事故では、その道路に『減速路面表示』があることもしばしば。たんに『速度を落とせ』では、『分かりきったことだ』と聞く耳を持たれないが、道路や環境など事故防止のヒントになることを解説している」

 

同サービスは、同社が手掛ける法定12項目の指導が動画を見せるだけで完了する「動画配信サービス」の導入企業向けの無料オプション。非導入企業でもスポット的に有料での製作依頼も可能だ。同社長は、「動画配信サービスの導入企業は600社を超え、事故動画を教材化するサービスとともに多くの反響をいただいている」と胸を張る。

 

SNSやYouTubeなどでの発信も欠かさず続けている上西社長。「動画を見ていたから事故を防げた」というコメントが寄せられることもあるという。「自分の仕事が事故防止につながっていると実感する。やっていて良かったと思う」と微笑む。

 

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