D2C(Direct to Consumer:消費者直接取引)のビジネス市場が拡大しています。

 

 

D2Cとは、OEM(相手先ブランド製造)で商品開発を行い、自社サイトなどで販売するというビジネスモデルですが、デジタル化の流れにあわせて、近年、急速に進化しています。

 

 

SNSにより、インフルエンサーがフォロワー対象にオリジナル商品を売り出したり、自身のコミュニティーを活用してフォロワーから顧客を増やしていく手法がとられています。

 

 

また、LTV(Life Time Value: 顧客生涯価値)という概念を用いて、サブスクリプションなども活用しながら、たんに一度の購入ではなく、ある顧客が一生のうちにどれくらい、その会社の商品を購入するかという見込みを立てて、数的分析を行い、マーケティングに生かしていくという戦略もあわせて導入されています。

 

ちなみにLTVは次の式で計算されます。

LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間

 

ただし、毎度のことながら、こうしたネット通販(EC)のビジネスモデルが出てくると、気になるのが、受注、在庫管理、フルフィルメント、配送、といった一連のロジスティクスシステムの構築と運営です。

 

 

たしかに大手モールなどの既存ロジスティクスインフラを利用すれば、出荷物流もスムーズに進むかもしれません。しかし、必ずしもその物流コストが最適化されているとも限りません。

 

 

「売上高が大きく伸びたけど、物流の負担も大きくなり、結果として、収益率は低いままである」といった事態を避ける必要があるのです。

 

 

そうした懸念から近年は自社物流を構築していくスタートアップ企業も増えています。大手プラットフォーム企業に任せきりの物流システムではどうしても大きな飛躍が望めないという段階に行き着くことも少なくないわけです。

もちろん、その流れのなかでも、荷主となるD2C企業が物流企業としっかりとした連携をとっていくことも重要となってくるのです。