中国地区を基点に、食品の3温度帯での保管・配送事業を行う瀬野川産業(立川弘幸社長、広島市安芸区)はこのほど、自動倉庫を併設した社屋を敷地内に新築した。働き方改革への対応や人手不足のなかでの事業継続、コンプライアンスを考慮し、諸室にはさまざまな機能を備えている。

このほど本格稼働した自動倉庫。社長は「倉庫が足りず土地を探したが、人員の配置などを考えて敷地内に新倉庫を構えた」と話す。高さ17m、奥行き40m、ラックが14架あり、4000パレットを自動制御で格納できる。社屋の1階部分がトラックバースになっている。

また、ラップを自動で巻くストレッチ包装機を2基設置。1パレットの所要時間は1分足らずで、人員、時間を大きく抑えることができる。なお、同倉庫はコンビニ向けのドリンクを収めており、「中四国エリアでは最大級のデポ」とのこと。

3~5階の事務所スペースのコンセプトは「運送会社らしくない社屋。次世代をターゲットに若い人が会社に来たいと思うような空間作りをした」とし、特に若手社員への配慮があちこちに見られる。


特徴的なのは「大手コーヒーチェーンをイメージした」というコミュニケーションブースだ。テーブル席やソファを配置し、ゆったりした空間で食事や休憩時間を過ごせる。wi―fiを完備し、コンセントを増設するなどPCの利用環境も整えており、打ち合わせや作業で利用する社員も多い。

「新社屋は〝個〟に注目した。同ブースは、人との距離を気にする若者も使いやすいカウンター席も設置した」。このほか、トイレは個室の数を増やし、更衣室のロッカーも1人1台用意した。

また、6~15人が収容できるガラス張りのミーティングルームが4部屋あり、こちらも有効活用されているという。ガラス張りで開放感がある一方、一部をすりガラスにし内外のプライバシーも確保する。なお、広島営業所や、社長をはじめ役員個々の執務室も設けている。

◎関連リンク→ 瀬野川産業株式会社