VECTRIX JAPAN(ベクトリクスジャパン、大阪府箕面市)は、小型商用BEV(バッテリー式電気自動車)「I―Cargo」の、ラストワンマイル物流での活用を提案している。

 

東京・銀座に開設したブランド初の旗艦店「VECTRIX Tokyo Ginza Gallery」のオープニングセレモニーで山岸史明CEOは、「バイクでもないクルマでもない双方のメリットを融合させた全く新しいカテゴリーの小型BEVを普及させたい」と語った。

 

電動3輪カーゴスクターの同車両は、普通免許で乗車可能。「完全自立式」を実現しており、運転中や信号待ちなどの停車中も傾かない安定設計となっている。同CEOは、「普通二輪免許が不要なだけでなく、誰でも簡単に運転できるため、これまで配送ドライバーの対象になりづらかった女性やシニアの方へのハードルを下げ、新たなドライバーの創出で人材不足解消に貢献する」と説明。

 

着脱可能な交換式バッテリーを採用しているのが大きな特徴。「充電済みのスペアバッテリーと交換することでいつでも満タンで走行できる。充電中は稼働できないという電気自動車の課題を解消した」。バッテリーは100Vの家庭用コンセントで、4時間で充電できる。

 

 

最大積載量は100kgで、航続距離は満充電で80kmから100km。フル積載の状態でも坂道をパワフルに走行できる4kWのモーターを搭載している。

 

同車両のデザインはイタリア、パワートレインの開発はポーランド、製造・品質管理は台湾の自動車メーカー「YULONMOTOR」が担当。同社は日産自動車の現地パートナーで、主に台湾国内市場向けに自動車製造を手掛けている。

 

「I―Cargo」の車両価格は100万円を予定。「リース契約が基本で、バッテリーもサブスクリプション方式を採用しており、1つ月額1万円での提供を目指している」という。さらに、「専用の保険も準備している」とも。

 

山岸CEOは、「物流ユーザーの意見を柔軟に取り入れ、改良を重ねていきたい」と語った。