篠崎運送倉庫(山岸優太社長=写真左、埼玉県鴻巣市)は6月21日、日本で唯一の「次世代型木造倉庫」を岩手県北上市に竣工。全木造平屋建ての環境に配慮した定温倉庫(286坪)で、営業倉庫としては国内初となる。

木造倉庫の利点は、CO2を吸収して酸素を排出し、炭素を木材に留める性質がある。家庭用ルームエアコンを活用することで、CO2排出量は従来型倉庫と比較すると、3分の1の規模まで削減可能となっている。

全木造の定温倉庫は、鉄骨造りの定温倉庫に比べて断熱性も高く、外気の影響を受けにくいため、常温倉庫として活用した場合であっても、夏は涼しく冬は暖かいので、働く人にとっても良い環境を構築できる。

その上、鉄の価格が現在、上がっているということもあるが、従来の工法と比較すると、鉄骨造りよりも木造の方が建築コストを抑えることができ、工期も1~2か月早く、維持費も従来の倉庫とほぼ変わらない。

全木造の低温営業倉庫を造るに至った経緯について、山岸社長は「2019年に木造の高層ビルが仙台で竣工し、ビルが木造で建つのなら、倉庫もいけるのではないかと考えたのが直接のきっかけ」と話す。

「木造の倉庫を実現できる技術を持ったパートナー(HIJ.の平塚一弘社長=同右)と知り合えて、取引先からも岩手県で収穫される玄米を関東まで輸送する一貫物流の要望があり、昨年の春から計画を始めた」という。

同社の全木造定温倉庫は、その性能が全く問題の無いレベルであることが確認できたため、同社では今後も、「木造×定温」を主軸に、「木造・定温・環境貢献」をビジネスモデルとして展開していくとしている。

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