ascend(東京都新宿区)は、物流管理ソフトウェア「LogiX(ロジックス)」の提供を開始した。昨年発表のβ版「アセンド・ロジ」から名称を変更し、新たに発売した同ソフトは、1回の入力で複数の帳票が作成できる「シングルインプット・マルチアウトプット」が最大の特徴。

日下瑞貴社長は、「従来のアナログ作業では、受注時、配車時、請求時など、各段階で二重三重に帳票を作成する必要がある」と指摘した上で、「当社のソフトであればオーダーを受けて以降の、必要な書類の出力作業から請求書作成までを一気通貫でつなぐ」と説明する。

さらに、「入力された各種データを業務の効率化だけでなく、分析に活用していく機能を搭載しており、経営自体の改善提案も行っていく」と同社長は意気込む。

 

β版は、柳川合同(福岡県柳川市)、八大(東京都中央区)、荻布倉庫(富山県高岡市)、會津通運(福島県会津若松市)、吉沢運送(富山県射水市)をはじめ、複数の運送事業者での導入実績がある。「4枚の帳票を1枚に」「9回の転記作業が0回に」「事務員の業務時間を50%削減」「請求書の作成時間が30分から5分に」など、各社から様々な効果が報告されている。同社長は、「しっかり数字として導入効果を確認できたことに手応えを感じている」と力を込める。

また、「誰でも簡単に使える」のも特長。「DXやSaaSに対して『難しそう』というイメージを持たれている方も多いかもしれないが、安心してお使いいただける」とし、「導入事業者では、年配の女性事務員さんも難なく使いこなしている」という。

車両数は20台から数百台規模まで、運ぶ荷種や運行形態に関わらず、ユーザーは増え続けているという。「現行の業務からそのまま移行できるのが強み。荷主によって帳票のフォーマットが違うケースにも柔軟に対応できる。顧客への説明を最小限に抑えることができ、負担のない形で導入が可能」

月額利用料は10万円からというSaaSモデルならではの価格でありながら、サポートが手厚いのも特徴。「システムを入れて終わりではなく、継続的に業務を改善していく。導入時にはまず現場に伺い、帳票類などを精査し、統一できるものは整理して、業務の集約を行う」。

同社長は、「当社には業界知見が深いスタッフがそろっており、ユーザーのビジネスモデルをしっかりと理解した上で、『どうしてそのデータが必要なのか』を明らかにしていく。業務に関する知見とデータ分析、双方の知識がそろっているのは強み」と付け加える。

当面の導入目標を「まずは100社」とし、多くの運送事業者に利用してもらえるようアピールを強化していく方針。今後は、外部システムとの連携にも力を入れていく予定。

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